貴方の微笑みに想い描いた未来 グレンとクーガー(聖魔)
※クーガーが凄いブラコン
「行くぞ、クーガー」
先へ歩む兄の広い背を追いかける。 何なのだろう、この農家出なのに滲み出る逞しく高貴な雰囲気は。並より優れた判断力と行動力に指揮する能力、体術に武器の扱いは。兄の全てが俺の憧れに値している。 隣に並ぶと誇らしさが湧く程に。
「なぁ兄貴」
クーガーは視線を変えぬまま短くグレンを呼ぶと、グレンもまた短く何だ、と返した。
「兄貴は俺の憧れだ」 「何だ突然、」 「いや、なんか言っておきたくて」 「・・・変な奴だな」 「ずっと俺の憧れでいてくれよ、」
兄貴を追い越すことが俺の目標だからよ。 にししと笑って言うクーガーを見てグレンは微笑する。
「出来るだけそうあれるよう努力しよう」
兄貴は柔らかな笑みをこちらに向けて言った。 ああ、それ。 兄貴のその笑顔が好きだ。優しく抱擁するように包み込む笑顔が。
これから先、俺が少しずつ成長して、武器の扱いの腕が上がって、竜の操縦も上手に出来るようになって、それを見る度に兄貴は今みたいに微笑んでくれるんだ。
それで俺が兄貴を追い越した時には、兄貴はたっぷり笑って、
立派になったなクーガー、なんて言って、俺を褒めてくれると、ずっとそういう未来を、想い描いていた。
今でもそういう未来を想っては一人何とも言えない虚無に襲われ、ただひたすらに歯を食いしばることしか出来ないでいる。
繰り返す残像
強くあろうと決めたのに、まだこんなに引きずっている自分の情けなさもまた、
*
竜騎士兄弟うわああああああ好きだああああああ グレンの死体を見て私怨のまま即行敵討ちに行ったクーガーまじ切ない悲しいブラコン萌え
title...空想アリア様
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