呪用拍手 | ナノ




 
 



拍手ありがとうございました。
感想等なにかあればお気軽にコメントどうぞ。




【伏五SS】現在全1種です





【キスする伏五】

「恵、キスするときは目を瞑るんだよ」
 五条先生は俺の頬を触りながら、そう口にした。任務を終えた直後、上がりきる前の帳の中でのことだった。名前を呼ばれ思わず振り向いた瞬間に、伸びてきた腕とともに降ってきた言葉だ。普段見せない青い瞳がきらきら輝いていて、真っ暗闇だというのにとてもまぶしかった。
「なんでキスすること前提なんですか」
 まぶしさから視線を逸らして答えを探す。五条先生は普段から突飛なことしか言わないが、今日は特に意味不明だ。からかわれている。絶対そうにちがいない。俺は腕から逃れようと身をよじる。
「からかうなら他をあたってくださいよ」
「恵は僕が他の人とキスしてもいいってわけ?」
 やめてほしいと伝えると、五条先生はすこしいじけた声で手を離した。表情はさも愉快そうで、まったくもって堪えていない。どころか「ほかの子ならキスしてくれそうだよね。そっち行こうかな」なんて言いながら帳の外に行こうとしている始末だ。冗談だと分かっているが、それでもつられる自分が嫌になる。俺は腕を伸ばして彼の手を取った。
「それはダメですけど」
「ダメなんじゃん」
 彼の身体を引き寄せて、ついでに頭も引き寄せた。足がつりそうになるぐらい背伸びをして、頬に手を添える。ここまでしないと届かないのは悔しいが、彼の場合届くだけでうぬぼれてもいいはずだ。俺はせかすように声をかけた。
「キスしたいんでしょ。なら早く目閉じてくださいよ」


Top
○●○
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -