2021/02/09 Tue 09:57:15


今、妖怪や怪異の話を呪術に置き換えて恵と五条先生がそれを狩ったり呪物集めたりする話を書きたいなーと漠然と考えています。
妖怪自体はそこまで詳しくないのですが、京極夏彦の百鬼夜行シリーズが大好きでその雰囲気に触発されているような感じです。
百鬼夜行シリーズはアニメ魍魎の匣から入ったのですが、すでに10年以上経っており時間の経過が怖いです。
脱線しました。
昔のジャンプものにあった日常パート(1〜数話完結の敵を倒すようなもの)が呪術には少ないので、そう言った隙間妄想がしたいというのも根底にあります。
妖怪譚と呪術って親和性あるな〜と前々から思っていたので、思うように形になるかどうかわかりませんが、今後も思うままに書いていきたいと思います。
もはやCPなのかどうか謎なのですがお付き合いいただけたら嬉しいです。

妖怪や怪異のネタ集めで本を数冊買ったのでとりあえず読むところから始めたいと思います。

あとぼちぼち書いた話を軽く載せておきます。
若干もう嫌になっているのでこのページが供養にならないように頑張ります。

曼荼羅

 一級呪物、天女の残した衣を探せ。
 呪術高専からの任務はいつも突拍子がない。今回もまたその類の任務だろう。伏黒は与えられた資料に目を通しながら、深いため息をついた。呪術高専に入学したものの、一年生が一人しかいないためか担任がちゃらんぽらんだからか、座学の授業などほぼなく実務訓練とは名ばかりの任務の押し付けが横行していた。伏黒は例にもれずの書類に眉をひそめつつ、それを寄こしてきた先生≠冷たく見やる。冷たい視線にさらされた彼は特段それに構うことなく、いつも通りの胡散臭いにやけ顔でこちらを見下ろした。
「恵なら全然余裕でしょ」
 呪物持って帰ってくるだけだしね。まあ、さすがに一人でとは言わないけど。でも次回から一人でお願いね。五条はそこまで一息に言ってから愉快そうに笑った。入学前からの付き合いとはいえ、この男が何を考えているか伏黒にはさっぱりわからなかった。だが任務は任務。任された仕事はきっちりこなさなければ自分としても気味が悪い。
「で、いつからなんです」
「今日だよ」
 どうせ拒否権なんてないですよね。そう不満を隠さず伝えると、彼はなんてことないといわんばかりの口調で恐ろしいことを伝えてきた。なぜこうも突拍子もないことばかり振ってくるのか。伏黒は眉間に思いっきり皺を寄せて、五条から目をそらした。
「午後には出発するから。荷物まとめておいてね。二泊ぐらい見ておいて」
 では、朝のホームルーム終了です。五条は高らかに、そして一方的に宣言すると、そのまま教室から出て行ってしまった。本来の授業スケジュールではホームルームから一限目は休みなく続くはずだった。だが肝心の受け持ち教員が出て行ってしまった以上、午前はもう授業はないということだろう。ここは本当に学校なのか。伏黒は眉間に皺を寄せたまま誰もいない教室を後にした。


 新幹線とレンタカーを乗り継ぎ、夜には目的地の近くまでたどり着く。言われた通り二日分の荷物を用意して訪れた場所は、ごくありふれた小綺麗な温泉宿だった。
「明日の朝、目的地に移動するから今日ぐらい温泉でも入ってゆっくりしてよ」
 五条はいつも通りのへらへらした様子でそう言った。書類以上の説明はするつもりはないらしく、それ以上彼は何も言わなかった。それどころか伏黒と荷物を部屋に残してどこかに行ってしまう。別々の部屋でも用意したのかと思い特段気にしていなかったが、温泉にも夕食の会場にも五条は現れなかった。だが夕食も、そのあとに用意されていた布団も二組で、本来ならいるはずの人物の輪郭をさらに強調した。
 その状況に伏黒は動悸がおかしくなる感覚を覚えたが、感覚に至る原因があの五条悟だと認めるのだけは嫌だった。悶々としたまま布団に転がる。だが五条が戻ってくることはなかった。残された小さな手提げだけが部屋の隅に転がっていた。


呪術



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