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真田が好き


凛々しい眉毛、鋭い眼光、通った鼻筋、きゅっと引き結ばれた唇。全てが私を惹き付ける。
私の理想全てがあの、“真田弦一郎”に盛り込まれている。

容姿だけじゃなく、中身も勿論誠実なところも他人に厳しく、自分にはもっと厳しくなところも全て好み。
他の人を悪く言うわけではないけれど、真田君は誰にでも分け隔てなく、平等に接してくれるいい人だ。真面目な人は褒め、不真面目な人には厳しく、そして時々優しく。風紀委員としてこれほど適任な人はいないんじゃないか。

長々と語ってはいるが、要は私が真田君を好いている。ただそれだけの話。

「また##NAME2##が弦一郎のことを考えている確率86%」
「や、柳君…いつの間に居たんですか。」
「##NAME2##が図書室に来る前から居たさ」
「そういうことを聞きたいんじゃ…まぁいいです。」

私の目の前に座るこの人は柳蓮二君。私が図書委員の当番で貸し出し作業のときに少しずつ話すようになってから、自分で言うのもなんだが仲良くなったと思う。
データマンで人間観察能力に長けている彼に私の気持ちがバレるのはそう難しくはなく、たまに相談にのってもらっている。

「蓮二、ちょっといいか。」

「っさ、ささささささな、さなだくんっ!?」
「……噂をすれば、だな。」

いいデータが取れそうだ、と唇の端を吊り上げた柳君にすこし殺意が沸いた。
心地いい低音が私の鼓膜を揺らす。
目の前で真田君が喋ってる。しかも柳君と。思わず凝視していたら不意に真田君の怪訝そうな顔が此方に向けられた。

「む…俺は邪魔をしてしまったのか?」
「ぅえ!?っ、いや、そんなとんでもないです色んな意味で!」
「失礼な奴だな。弦一郎、彼女は##NAME2####NAME1##。俺の【友人】だ。仲良くしてやってくれ」
「?…あぁ。俺は真田弦一郎だ。よろしく頼む、##NAME2##。」

ぼんっ!と顔が真っ赤になるのが分かった。真田君とお近づきになれるなんて!しかも名前!名字だけど呼ばれるなんて!柳君には感謝しないと。

「ひゃい!よ、よろしくお願い申し上げますっ!!」

柳君、笑わないでください。

<<真田にもやられました。あと敬語の女の子もたまにはいいなあと。


2014/08/09 12:49



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