日吉と犬猿の仲 「でさー、その時…」 ガラガラと教室のドアがスライドして一瞬静まり返った教室内は、瞬く間に黄色い声によって以前より喧しい。 原因は“日吉若”というキノコ頭。 至極面倒くさそうな、迷惑そうな顔で寄ってくる女の子を無視してこちらに歩く。 「……あぁ、それでね?その子が、」 「退け。邪魔だ」 やっぱり、来た。 「私、自分の席に座ってるだけだし。邪魔だって言われる筋合い、ない。」 負けじと言い返すと、日吉の目付きは元々の悪さに比べて更にひどいものになった。 かなり険悪なムードを感じ取った友人とクラスメイトは、この日常になりつつある光景を固唾を呑んで見守っていた。 「……ちっ」 クラス中の視線を浴びていることに気付いた日吉は、舌打ちして私の後ろの席に着いた。……わざわざ私の足を蹴って。 さりげなく椅子を引いて机を前に出して、少しでも日吉から遠ざかろうとすると、思いきり背凭れに机をぶつけて前よりも接近してきた。 「っ、」 振り向くとどこ吹く風な顔の日吉。その無駄に綺麗な顔を本気で殴りたいと思ったのは何回目だろうか。 ……という感じのお話。日吉の冷たい目を見てついやってしまった(笑) 2014/08/09 12:45 |