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お礼文はランダム
(土屋、イワン、唐沢、ミツオ君、本田、竜持)

(ミツオ君ver)

「寒い…」

朝。
玄関を出ると冷たい風が頬に当たり、思わず身振るいした。
これから冬がやってきて、今よりもさらに寒くなるんだろうな、と思うと憂鬱になる。まあ、憂鬱になったところで学校に行かなければならないことには変わりないけれど。

「あ、ミツオ君」

自分の息で、はあ、と、手を温めながら歩いていると、ミツオ君の姿が見えた。
ミツオ君は私に気が付くと「やあ」と言わんばかりに片手を上げてこちらへ来た。

「おはよう。今日は寒いね」

「そうだな」

ミツオ君は私に同意したものの、良く見ると私と違ってブレザーの下にセーターを着てない。寒くないのだろうか。

「ん、どうかした?」

あまりにもミツオ君を見過ぎたせいが、彼は不思議そうな顔を向けて訊いた。

「いや、ミツオ君ってセーターとか着てないのに寒くないのかなって思って」

「そりゃ寒いよ」

それはもう即答だった。

「じゃあ、なんで着ないの?」

「着る必要が無いから」

「え?どういう――ってちょっと!?」

どういう意味?と続くはずだったが、私が言う前にミツオ君は私をすっぽりと抱きしめた。

「あったけー」

耳元で満足そうな声が聞こえてきが、私は、勿論パニック。

「いやいや、"あったけー"じゃないでしょ!?何やってんの!?」

「何って…温まっているんだけど?」

「そ、そうじゃなくて!朝っぱらから何堂々と抱きついてんの!?恥ずかしいでしょ!」

「俺に抱き着かれて嫌?」

「う…」

そんなこと訊かなくても分かる癖に。分かる癖にミツオ君は意地悪なことを訊いてくる。

「どうなの?」

「…嫌じゃないです」

「じゃあ良いじゃん」

にっこりと無邪気に笑う。
ミツオ君の行動、表情。その一つ一つが私の身体を熱くさせる。

(…こっちの気も知らないで…!)

私は暫くそこから動けなかったのは言うまでもなかった。



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