「れんちゃぁんっ...」


生徒会室を出て俺がやって来たのはもちろん風紀室で、入るなりれんちゃんに泣きついた俺をみんなが驚いたような顔で見ている。

てか、れんちゃんも先生もずっとここにいるよね?


「どうしたの、のんたん」

「誰に何された」


そんな空間の中俺にそう聞いてこれるのは長年の付き合いのこの二人だけなのだろう。
二人は心配そうな顔で俺を見ている。


「...もういい、生徒会やめる」

「「は?」」


俺がそう言うと先程まで驚いて固まっていた神崎委員長や先生も動き出して慌てて俺を止めてきた。

ようくんにキレ気味で落ち着くように言われてたけどね。ようくん最強説。







「...何考えてんだあのバ会長」


とりあえず俺はさっき生徒会室に帰ってからあった出来事を説明した。
れんちゃんは自分のことのように怒ってくれて、ようくんも表情に出さないけど怒っている。そして、先生も神崎委員長も怒ってくれているらしい。


「...だから俺やめる」

「俺はのんたんが辞めるのに賛成だよ。...でも、これでいいの?後悔するのはのんたんだよ」

「だって...」


ようくんの言葉に俯くと風紀室の扉がいきおいよく開き、今にも泣きそうな顔の要が入ってきて俺に抱きついた。


「...か、なめ?」

「...のんっ、ごめ、んっ......おれ、頑張るっ、から、やめな、いで...!」


俺は呆然としていた。
要が泣いている。要がたどたどしいけどちゃんと話している。要に自分が必要とされている。
すべてのことに驚いていたのだ。



 



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