「...で?結局アリスをあの転入生に譲ったんだ?」


生徒会室に戻ると、何故か優雅にソファーに座って紅茶を飲んでいるようくんと先生がいた。

ようくんに先程の事態を説明すると、呆れたような顔で冒頭の言葉を頂きました。


「だって...じゃないと協力してくんないって言うんだもん」

「......まあ、仕方ないかな。折角のんたんのアリス姿を写真に撮って理久たちに売り付けてやろうと思ったのに」

「.........ようくん、」


もう本音駄々漏れなんだけど。先生も要も引いてるよ...てか、俺のそんな写真さすがに欲しがらないでしょあの人たちも。


「しょうがない、のんたんはチシャ猫だね」

「女装より断然そっちのがいいよー」

「お前ならノリノリで女装してそうなのにな」


唐突に俺とようくんの会話に入ってきたのは先生で、そちらを見るとニヤニヤして俺を見てらっしゃった。


「やだよ。できるなら女装なんてしたくないもん」

「ふぅん...」


まあ、転入生は喜んでたみたいだけどね。どんな格好でもあいつらと一緒に参加できるのが嬉しいみたい。俺には考えられないけど


「じゃあ、僕は戻るね。...涼に衣装追加だって連絡しなきゃだし」

「...え、」

「ん?どうしたの?のんたん」

「あ、いや、なんでもないです...」


今、すっごい嫌な名前聞こえた気がしたんだけど。...ありえるかも、あの人何でもできるんだもん。服とか簡単に作っちゃうよね...


俺はようくんと一緒によく悪巧みをしていたあるひきこもりの人物を思い出して嫌な予感がしたが、すぐにそれを頭の中から振り払った。


「のんたん、無理しないようにね」

「...わかってるよー」


ようくんは何事もなかったかのようにそう言うと颯爽と生徒会室から出ていった。



 



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