「あ、そういやここに来る途中にうるさく喚いてる猿に会ったぞ」


久しぶりにしーくん、そしてれんちゃんと戯れていると、急にしーくんがそう言った。
きっとここにいる全員がその猿を指す人物が誰なのかわかっただろう。


「しーくん、会ったの?大丈夫だった?何もされてない?」

「俺があんな奴に何かされるわけねぇだろ?」

「いや、あいつ今氷雨と敵対してるから、時雨さんに喧嘩売ってもおかしくないっすよ」


れんちゃんは俺と同じようにしーくんのこと慕ってるから、ひーくんのことは呼び捨てなのに対して、しーくんのことをさん付けで呼ぶ。そんなれんちゃんがかわいいと思ってるのは俺だけじゃないだろう。


「そうなのか?普通に黒も似合うなって口説かれたけど?」

「えええ!?しーくん口説かれたの?あいつに?大丈夫だった?しーくんのこと口説くなんて何考えてんのあの子。普通に考えてしーくんに釣り合うわけないのに」

「お前はどうしてそんなに時雨のこと崇拝してんだよ…俺も同じ顔だろうが」

「違うんだよひーくんと比べないでっ!」

「ああ?比べるもくそもこいつと俺は双子なんだっつーの!」


こうなるともうtrampでは見慣れたいつもの光景で、ようくんは楽しそうに笑っていて、れんちゃんはあほを見る目で俺とひーくんを見ていて、しーくんは呆れ顔。
他の古参メンバーたちも楽しそうに笑っていた。





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