「のんたん」


ほとんどの生徒たちが教室に帰ったのを確認してから体育館を出ると、柏木先輩と七瀬先輩が俺を待ち構えていた。


「先輩久しぶり、元気だった?」

「うん。僕たちは何にも変わりないよ。のんたんも夏休みは満喫できた?」

「うん、楽しかったよ」

「何のほほんとした会話してんの!そうじゃないでしょ!」


俺が柏木先輩に癒されていると、横から苛立った様子の七瀬先輩が口を挟んできた。
まあ、話の内容はわかるんだけどね


「さっきの話でしょ?」

「そう。あいつ何かんがえてるわけ」

「わかんないけど、きっと今日の会議でその話題も出ると思うから先輩たちは待ってて」

「…のんたん、頼むね」

「僕たちは親衛隊の子たちを抑えておくから」


やっぱりさっきの転入生の親衛隊廃止の話だったらしい。柏木先輩は悲しそうだし、七瀬先輩はものすっごく怒ってらっしゃる。
もちろん俺も親衛隊廃止なんて反対に決まってる


「俺に任せて、ね?」

「そうだよ。俺もいるから柏木も七瀬も安心してよ」


ひょこっと顔を出して俺たちの会話に首を突っ込んできたのはもちろんようくんだ。
柏木先輩は驚いた顔をしているけど、俺も七瀬先輩ももうさすがに驚かない。


「そうか、三町もいるなら安心だね」

「任せて。それより、そろそろあの子が来るから二人とも戻った方がいいよ」

「わかった。柏木、行くよ」

「あ、うん。…のんたん、無理しないでね?」

「うん、ありがとう」


どうやらようくんは転入生が来ることを教えてくれたらしく、先輩たちはその場から去っていった。
最後に俺の心配してくれた柏木先輩はほんとに天使だと思う。

それからすぐに転入生や他の面々も体育館から出てきて、俺たちは会議室に向かった。





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