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「キング、今日は来えへんのとちゃうかったん?」


突然の理久の登場に全員が驚いている中、涼くんが理久に声をかけた。
理久は一瞬だけ店内に視線をさ迷わすと涼くんの方を向いた。


「ああ、早めに切り上げて帰ってきた……ちょっと気になる噂も聞いたしな」

「…噂?」


ダルそうに涼くんにそう答えるとまた視線をさ迷わし、まるで何か探しているようだ。
理久の言葉にドキッとした俺は被っていたフードをさらに深く被って、ゆっくりとその場を離れようと後ずさった。


「惚けんなよ、おまえが知らねえわけねぇだろ。うちの猫の噂なんだからよォ」

「…こっちに帰ってきとるって話やったら前もしたやろ?」

「はっ、意地でもシラァ切るつもりかよ」


理久のその言葉に確信した俺は裏口から逃げようと奥へと続く扉にバレないように向かった。
事情を知ってるメンバーたちが俺を隠すように立ってくれていて俺は無事に扉までたどり着けた。


「チッ…てめぇら、そこ開けろ」

「っ、」

「命令だ。開けろ」


地を這うような低い絶対的な言葉に誰も逆らえず俺を隠すように立っていた人たちが次々に横へと避けていき、俺は理久と真っ正面から対面した。


「…久しぶりだな」

「、っ…」







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