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「のん、学校はどうだ?」
目の前のシーフードドリアに集中していると、前の席に座ったしーくんがそう聞いてきた。
しーくんは純粋に気になっただけなんだろうけど…
「時雨、お前コイツの父親みてぇだな」
そう、まさにその通り。ひーくんが言った通りなんだかしーくんが息子に久しぶりに会う父親に見えたのだ。
しーくんはその例えに一瞬なんともいえない顔をしていたが、すぐにくすりと笑った。
「のんの父親なら悪くねえかもな」
「時雨が父親だとオマエ嫁にいけねぇな」
「何でそうなんの。俺男だからね」
ひーくんはほんとどこまでも人のことからかうんだから…
そんなひーくんもお兄ちゃんのしーくんには逆らえないようで、怒られると静かになった
「で、学校はどうだ?」
「んー、楽しいよ。れんちゃんもようくんもひーくんもいるし……あと俺のことすっごい心配してくれる可愛い先輩もいるし、生徒会もそれなりに楽しいし」
こうやって話してると俺学校生活充実してるな、なんて思って俺は自然と頬を緩めた。
「なーにかわええ顔しとんの、子猫ちゃん」
するとそんな穏やかな雰囲気をぶち壊すように間延びした関西弁が俺の後ろから聞こえた。
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