自分がテラスを訪れれば、先客が居た。
どうしようか、と立ち止まれば、そいつが此方を向いた。
見たことのある顔だ。誰だったか思い出せないが、9組の奴だった筈だ。
そいつは俺を目にすると、笑顔で寄ってきた。
「君、0組のナインって子だよね〜?」
「んあ?何だよコラァ」
そいつは俺を少し見上げると話し掛けてきた。
「私は、2組のカルラって言うの」
「…嘘だろ、オイ。テメェ…9組の奴だろうが」
そいつは、はは、とか笑いながら悪びれもしなかった。
「んーっ。まさか、0組の子が私の事知ってるとは思わなかったなぁ…。改めてまして、私…ナギ「嘘つけゴラァ!」」
また懲りもせずに嘘を吐く、そいつの言葉を無理やり遮る。
よく見れば、今はマントをしてないし、常習犯なんだと分かる。
俺が額に手をあてると、そいつは軽く笑った。
「…ごめんごめん。だいぶ癖になっちゃってるの、嘘吐くことが」
ごめんね、と素直に謝られて、胸がどきんと跳ねたのが分かった。
「本当の名前、名乗ってあげる…
9組のユリって言うわ」
嘘つき少女と狼さんナインはヘタレ狼だといいなと思う!!
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