部屋に入れば、クラサメさんの匂いがした。
いや…、クラサメさんの部屋に来ているんだから、当たり前なんだけど。
クラサメさんはと云うと、私に「飲み物は要るか?」と訊いて飲み物を取りに。
実を云えば、クラサメさんの部屋を訪れるのは、久し振りかもしれない。
お互いに忙しかったし……。
私は、よちよちと歩くトンベリを抱き上げて、ソファに座った。
やっぱり、ペットって飼い主さんに似るって本当かな〜??とか考えながら、トンベリの頭を撫でる。でも、トンベリとクラサメさんの似てないところも発見したし……。

「ユリ…。ほら……どうした??」
トンベリの頭に頬を擦り寄せていたら、目の前にクラサメさんが居た。
クラサメさんは不思議な表情をすると、私の腕に収まっていたトンベリを持ち上げ、変わりに右手にカップを持たせてくれた。
「…ありがとうございます」
御礼を言ってカップに口づける。
すれば、クラサメさんは私の横に座った。
クラサメさんは、トンベリを膝に乗せて抱えながら座った。
それで、トンベリの頭を撫でているクラサメさんは、とっても可愛い…。
今は、何時もしているマスクだって付けていなくて、クラサメさんの綺麗な顔がしっかり見える。あぁ、やっぱ好きだなぁなんて思えば、もう止まれなかった。

「クラサメさん」
「ん?…んんんんんっ!?」
此方を向いたクラサメさんに不意打ちで口づけをすれば、クラサメさんは目を瞬かせて、咄嗟にトンベリの目を塞いだ。
ぺろりとクラサメさんの唇を舐めれば、クラサメさんはふるると可愛く振るえた。
苦しそうになってきたので、唇を離せば、クラサメさんは顔を真っ赤にして悪態をついた。
「…可愛いですよ」
そんなクラサメさんが、私の彼氏なんです。


照れとほんの少しの……
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120728       ねお

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