きらり、とそいつの首元で何かが光った。
あれから、少しずつ時間をずらしてテラスに来るのだが、何時もそいつが居る。
そして、何故か何時も、そいつ以外の人間は居ないのだ。
     まぁ…9組の奴だからな。

「あ、ナイン〜!!」

そいつは、不意に振り向くと、笑って寄ってくる。不覚にも、可愛いと思ってしまう。

「馴れ馴れしいな、オイ」
「え〜?だって、私達もう親友でしょ?」
「嘘言うな」
俺がそう言えば、嬉しそうにきゃらきゃらと笑う。
「嘘ね〜。男女間に友情は存在しないって言うもんね!
じゃあ、ナインと私は恋人っ!!」
「誰がお前なんかと恋人なんかになるかよ、ゴラァ」
そいつは、俺の言った言葉に、何故か頬を膨らませると指差してきた。
おい、人を指差すんじゃねぇよ!
仮にも候補生だろ、危ねぇじゃねぇか!!

「…お前じゃないし、ユリって名前あるし……!!」
「あ″?」

言っている意味がいまいち分からず、首を傾げる。
何だ…?名前で呼ばねぇからって、怒ってんのか??

「よく分からねぇけどよ。そこまで親しい仲じゃねぇだろよ…オイ」
「親しくなりたいから、親しみを込めてるんじゃん」
考えて言った言葉をそう返されて、そうかもしれないとも思った。
だが、今までにそんな人間に出会ったことなどない。

「わっかんねぇ……」
「あーあ。ナインが0組なら私もいけると思うんだけどな〜」
何が、と問えば、そいつは口元にうっすらと笑みを浮かべて言う。
その時、首元ペンダントが見えた。安っぽいペンダント。

「私だって負けてないよって話!」
「…マント付けてない奴が言うのかよ」
「隊長とか、偉い人の前では付けてるもん」
9組の奴がそれを言うのかよ、とは言わずに、俺は笑って言った。


嘘つき少女と赤いマント

赤いマントはみんなの憧れですから…。9組は忌避されたりするのに、任務は飛び抜けてるよなぁ…なんて。

130421      ねお


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