宮地の部屋にいる。俺達は東京と京都にいるから会えるのは限られる。
本当はもっと会いたいけど。俺、高校出たらこっち来ようかな。

「葉山ー、お前浮気とかしてないだろうな」
「してないよ宮地しか好きじゃないもん」

宮地は会う度俺に浮気してないか聞いてくる。
遠距離恋愛だもん、不安にもなる。俺だって宮地が浮気してないか心配だ。だってあんなに可愛いし!
心配性の恋人を見て、ふと思いついた。いい方法があるじゃん。

「宮地、俺に痕残してよ」
「痕?」
「うん、そしたら心配なんてしなくいいでしょ?虫除け」

宮地は目を暫くぱちくりさせていた。
少し間を置いて宮地はどうしようか考えているようだ。
思いついたのかこちらに質問を投げかける。

「どこでもいいのか?」
「どこでもいいよ、宮地の好きなところに好きなように」

首を縦に振る。どうするんだろう、キスマークなんて可愛いものならいいけど。
可愛いバイオレンスな恋人のことだ。歯形でもつけられるか殴られるかな。
わかった、という宮地の声。ちょっと怖いけどわくわくする。


首筋に宮地の手が伸びる。


一瞬ヒヤっとした。宮地の手の温度なのかそれともこの後の行為を想像したせいなのか。
首がだんだん絞められていく。呼吸がままない。

「っかは…」
「黙ってろ」

そんな。俺ほどんど声も出してないんだけど。というか出せないんだけど。

「っ・・・」

でも言われてしまえば黙るしかない。唇を噛んで声が漏れないようにする。

宮地の顔は無表情。せめて笑って欲しいな、そんなこと思ってる場合じゃないけど。意識が朦朧としてきた。このまま死ぬかなって少し思ったり。首絞で死ぬのってほとんど窒息じゃなくて心停止だっけ?まあいいや。宮地に殺されるなら別に。あ、俺今笑ってるかも。

急に手を離された。呼吸が戻ってくる。

「はっ…はぁ…はぁっ…」
「どこでもいいって言っただろ?」

うんまあね、言ったけどね。そう言おうとしてもまだまともに言葉も発せない。
宮地の顔を見たら満面の笑み。やっぱり笑ってる顔の方が可愛い。
どうにかしゃべれる程度に呼吸を落ち着いてきた。

「・・・っはぁ、宮地、」
「どうした?」
「っは・・・首輪、みたい」
「うん。リードを手放すつもりはないぜ」
「じゃあ宮地が手放さない限り宮地も俺から離れないね」

あぁ、今鏡で自分の首を見たらきっと酷い鬱血だろう。
隠れるかな。首ってなかなか隠せない気がするんだけど。ユニフォームどうしよう。
赤司に何か言われるかも、やだなあ。
でも宮地の方が大事だもんいいよね。いいよ。

「リード、掴んだままでいてね」


囚われマークは首筋に
(やっぱり隠さなくていいかな、俺達の愛の証だもん)





title:207β
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -