デイダラはふとしたときに急に大人びた表情をする。
それは戦闘が終わったあとの静けさの中だったりコイツの言う芸術を創りあげた瞬間だったり

サソリを見つめる横顔であったり。


サソリはそれを酷く似合わないと思う。
いくら忍者であってもコイツはまだ20にもならない餓鬼だ。いつも笑ったり泣いたり表情をころころ変えて感情を表していればいいと思う。
だからデイダラが大人びた顔をしていると妙に違和感を感じるのだ。

「デイダラ」
「うん?」

大きな血溜まりでデイダラはまた大人びた表情をしていた。
どうしたんだい旦那。とデイダラはその表情のままこちらを向いた。

「お前その表情やめろ」
「は、」
「似合わないんだよ」

お前はずっと子供のままでいろ。


それを聴いてデイダラは思わず吹き出した。
サソリの顔がだんだん不機嫌になっている。いつもの2人だ。

「なんだよ、何が言いたいんだよ」
「いや・・・だってさ」

「子供のまま成長しない旦那にそれを言われると思わなくってさ」

目を見開く。それを見てデイダラはイタズラの成功した子供みたいな表情をしている。

「オイラは旦那と違って成長するんだから、それぐらいは大目に見てくれよ。うん」
「うるせえよ・・・俺だって成長してないのは外見だけだ」
「中身も結構子供のままだと思うぞ?」
「ああ?」
「そうやってムキになるとことかな!うん!」

今度は大声で笑ってる。そうだそれでいい。
お前は俺みたく感情を殺さないでいてくれよ。

サソリもそうして微笑むのだ。似合わない顔で。


ベーシックにいようぜ
(ありのままを見ていたいから)
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