白石はよく俺に女ならよかったのにと言ってくる。
きっと俺との関係は無駄が嫌いな白石にとってはつらいのだろう。
結婚も出来ないし子供も産めない、自慢できるどころかむしろ世間的には認められないのだ。
俺はそれでいいと思ってる。恋愛は無駄やメリットでするものじゃない、ハズ。

「ほんま謙也が女ならよかったのになあ」
「んなこと言われてもしゃーないやろ」

どんなに言っても俺は男、白石も男。

「だって謙也が女なら俺の彼女はこんなに可愛いって自慢して結婚して一緒に暮らして子供を作ってってなあいつもいつもそれを思うんや」
「なら俺と別れて女の子と付き合えばええやん」
「でも謙也以外のやつに恋愛感情が沸かんからなあ」

やっぱり謙也が女に生まれればよかったんや。
なんてハッキリ言って聞いてて心地のいいものではない。まるで俺自身を愛してもらっていないような気持ち悪さ。
俺は俺で、女になったらそれは俺ではない。(そんなこと白石に言ってもきっと意味はない)

「なあ謙也」

白石の手が俺の腹をさする。

「俺がお前とセックスするとき何考えてるか知ってるか?」

目がいつになく真剣で、逸らしたくても逸らせなくて

「どれだけ中に出せば子供を孕むんやろうってずっと考えて」

「考えてずっと考えて謙也のこと思いながらずっとずっとずっとずっと考えて中に出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出して出してそれでもまだ孕まんのや」

腹をさする手を止めて、

「あーあ」

ところで知っとる?



お前のそれ、






「謙也が女に産まれればよかったんや」


死刑宣告って言うんやで。


夢見ていいのは少女だけです
(残念なことに僕らは少年だからさ)(叶わないなんてなんて残酷!)
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