俺、日向のこと好きだよ。




思考回路が停止した。




いやだってそうだろ。急に親友から告白されてすぐ意味なんて理解できない。そりゃ可愛い幼馴染とかならわかる。大人しい年下の後輩とかでもまあわかる。一応コイツとは中学からの付き合いだし多分一番仲はいい。顔だって整ってるし性格も冷静で落ち着いてるしギャグは寒いけど人気はある。でもコイツは伊月だぞ!オレは男だし伊月も男だしじゃあ何コイツが女だったら即答すんのって聞かれたらそれはそれで困るんだけどつまり何が言いたかって言うと今オレはものすごく混乱しているわけで!

「日向?」
「えっああうん、何?」
「いや、その、さ」


仮にも告白したわけだし返事ぐらい欲しいかな、って




やっぱりライクじゃねーんだなですよねそうですよねわかってたとも!
流石に頭の中がパンクしてきた。どうしよう。ついていけない。

「・・・日向はやっぱり嫌だった?」
「何が」
「男に好かれるの」
「そりゃ男より女の方が嬉しいだろ」
「そりゃそうだけど」

何お前気にしてんの。男とか女とか。
気にしてないからこうして告白したんじゃないのかよ。
わからない。伊月が何を思っているのかがわからない。
近いのにどこか遠く感じる。コイツとの距離がつかめない。

「伊月さ、」
「ん?」
「なんで俺に告白したの」
「なんでって・・・」

「だってオレ男じゃん。伊月だって男だし。お前モテるし。付き合おうと思えば女なんていくらでもいるだろ?なんでオレなんだよ」
「日向が好きだから」

キッパリと。そこだけは曲げないように。伊月が俺の目を見る。
まるで見透かされてるように。

「あのね、俺は日向だから好きになったんだよ。本当はもっと早く言いたかった。ずっと言おうと思って迷ってた。だけどいつかは言わなきゃいけなかったんだ。だから、」

「気持ち悪いって思ってもいいから否定しないで」


それは懇願なのに命令のようで。お母さんに縋り付く子供のようにも神に許しを請う信者にも見えた。
誰がコイツを気持ち悪いだなんて思うものか。否定なんて出来るものか。
俺には出来ない。たとえそれが自分に向けられたものであってもそんなこと思えない。

「安心しろ、否定なんてしない。気持ち悪いとも思わない」
「そっか・・・」
「お前がオレを好きっつーのもよくわかった」
「よかった」


距離をとられなくてよかった。なんてコイツは笑ってて。
そんなことで距離なんて今更とれない。とれないぐらいにもう俺達は近かった。
流石に付き合ってっていうのは無理なお願いかな、なんて伊月が言ってるのを
無理じゃないかもしれないなんて思いながら相槌を打っているオレがいる。


イージーすぎてついていけない
(簡単なこと。一緒にいたいってこと。)
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