学校の屋上、立ち入り禁止の看板を跨いで鍵の壊れたドアを蹴っ飛ばす。
ガムを噛みながら目の前で気持ちよさそうにイビキを掻いてる奴に近づいてみる。
さて、こいつをどうしようか。


(っていうか俺が来ても気づかねーのな)


ガムを膨らましてどうしようか思案中。
コイツのアイマスクをズラして寝顔を覗き込んでみる。
ちょっと間抜け面で笑えた。
髪の毛に触れてみる。
ワックスをつけていない髪はベタつかなくて不愉快にならない。
ホクロをつついてみる。
反応しねえし。ムカつくから連続つついてやった。


で、起きる気配ねーのな。コイツ。


寝てたらそれはそれで弄れるけど起きてくんねーとこっちとしてはつまんないわけで。
つーか俺がきて何分経ってると思ってんだか。
流石にちょっとムカつくというか。ぶっちゃけ飽きてきたんだけど。
途中で起きると思ってたからここまでやって起きないと予想外なんだよね。


つまんない。


さてと。どうしてくれようか。
どうやって起こしてやろう。殴る?蹴る?それとも大声で叫ぶ?
どれもこれもイマイチ。面白くない。
ガムを紙に吐き捨ててちょっと考えてみて。
あ、


(そうだ、)




ガムが無くなって空いた口で触れるだけのキス。
キスの味は少し辛いミントの味。
ざっとこの時間十数秒。
やっと目を覚ました瀬戸に向けて言おうと思っていた一言を。


「おはよ」


雲からガム降れ飴から毒食え
(目を覚ますには丁度いいだろ?)
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