Clap
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エーサボ(現パロ風)



魔が差した
からかってやろうと思った
それだけの理由で隣で皿を洗っている兄弟の頬にキスをした
一瞬の静寂
後にパリン、という皿の…正確にはおれのコップが割れる音
サボがコップを取り落としたらしい

「サボ…?」

問い掛けに答える様子はない
動きも、ない
こちらからは髪に隠れて見えない表情を伺おうと少し屈めばやっとサボは動いた
サボは、おれの顔面に頭突きをした
鼻からはぬるりとした血の感覚
からかった代償がこれとは少し重過ぎやしませんか、サボさん
なんて、言える訳もなく床に血が垂れるのを防ぐべく鼻を抑える

「エース…、」

何だか数時間ぶりに聞いた気がするサボの声は少し震えていた
肩も心無しか震えてるような……って、え!?
もしかして、おま

「泣いてんのか?」
「泣くか馬鹿」

そう言って顔を上げたサボは泣いてはいなかったけど頬が桃色に染まっていて
…可愛いな、とかそんな事を思ってしまうのは仕方のない事……だよ、な?

「びっくりしたろ、全く…あーあ、コップも。エース、自分で新しいの買ってこいよ」

何事も無かったかのようにテキパキと割れたコップの後始末を始めた後ろ姿が愛しくて
愛しくておれは…おれは




《end》


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