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「三大魔法学校対抗試合(トライ・ウィザード・トーナメント)?」

目を丸くした私に、薬学教授は続けた。場所は教授の実験室…の端の端。そこが私に許された区画。それ以上動くと氷より冷たい教授の視線が。薬品や材料に触るなということなんだろうけど。

「さよう、人の出入りが激しくなろう。まぁ君には関係なかろうが」

それはあれですか、誰にも気づかれないからとかいうやつですか。実際本当だけど。

「だが、マッドアイが来る」
「…あぁ、闇払いの」

魔法の目を持つ傷だらけの男だ。数々の戦歴はうわさで聞いたことがある。同時に引き起こしたトラブル関係も。そして厄介な目のことも。

「私あの人苦手です。今年は部屋に引きこもります」
「今年も、の間違いではないかね?」
「あう」

否定できない。・・・あれ?

「却下されると思ってました」
「にやにや下品な顔をするな」
「ひどっ」
「…カルカロフも来る。奴には関わるな」

それ以上は何も言わず、ローブを翻して去っていっちゃった。



◇ ◇ ◇



『何だ、やけに上機嫌だな』
「あれ。ばれちゃいますか」

自室に戻ってきたら、暖炉のそばでまどろんでいた蛇がもぞりと動いた。常ならば真円の目が半月になっている。完全にくつろいでいたらしい。

「あぁ、そうだヴァルヴェルデ。今年は城内にいない方がいい」
『ほう?昨年はネズミを食うなと言い、此度は城から追い出すか』

剣呑な眼差しを向けてくる蛇に腕を差し出す。しばらく考えていたようだがしぶしぶといった風に巻きついてきた。

「あの目は壁もパイプも無いものとするからね」

本当に味方ならなんと心強い。そして対するならなんと厄介な。

「あなたが連れ去られることも殺されることも私は嫌だよ」
『ほう。この身に利用価値を見つけたか』

またそういう言い方をする。

「ヴァルヴェルデいなくなったら誰がごはんの時間教えて…あだだだだ」

全力で腕を絞められた。腕が落ちる!


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