「どうしたんでィ?」







部活帰り。



日はもうとっぷりと沈み、



暗闇が辺りを包んでいる。






私を待ちかねた沖田が来て。






咲夜は待ってましたと言わんばかりに、まくしたてる。






「ないの!私のチャリが!」



「チャーリー?」




「いやいや何その王子様みたいな感じ。王子探してる私って痛い子じゃん。チャリだよ、チャリ!自転車っ!」




「それがどうしたんでィ?」



「盗まれたの、かな」





・・・そうとしか考えられない。






だって、朝ここに置いたことしっかり覚えてる。



突然消える、なんてことあるわけないもの。



「歩いて帰ればいいだろィ」





なんでもないように沖田は言い放つ。



いやいや、簡単に言うようだけど


家までチャリで30分。


歩いたら1時間もかかる。



ましてや今はもう真っ暗。



怖いことこの上ない。









「野宿?」




眉をひそませ、 咲夜は思いついたように呟いた。




「学校に泊まればいいでさァ」




ニヤリと笑い、沖田は提案する。




「やだやだ!無理!怖いから!」





銀魂高校七不思議を思いだし、

ぶんぶんと手を振り、全力で却下する。




「心配いらねェよ、俺も一緒に泊まってやらァ」






予想外の答えが返ってきて。
びくりと固まって。



心臓が波打ち始める。



いやいやこの人何いってんの。







「金も持ってるし、大丈夫でィ」



「金?」



私ははたと思いつく。



そうか、この手があった。



何故今まで思いつかなかったんだろう。



野宿とか馬鹿なこと言った、自分を笑いたい。






「お金貸してくれたら、電車で帰れんじゃん」






今度は沖田がぎくりと固まって。



がくりと肩を落とす。







「言わなきゃ良かったでさァ」







ななな何いってんだ、こいつは。



沖田と学校に泊まるなんて死んでしまう。




いろんな意味で。



いい方法を思い付いて良かった、と




思わず 咲夜は安堵する。







「もう!馬鹿ぁ!」








でもやっぱり残念な気持ちが残っていた私は




心のどこかで




期待していたのかもしれない。
























(ほんとに泊っちまうかィ?)


(う・・・)






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中村様、素敵なお話しありがとうございましたァァア!!!!


ちょっと抜けてる総悟が
かわいかったです(*^▽^*)




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