「副長ォォオ!!発信機の色に変化有りましたァァア!!」




咲夜達が連れ去られ約半日が過ぎ
日もとっくの昔に暮れた頃ようやくアイツの発信機と繋がった


ホテルの近くに1つ同じモノが落ちていて
もう1つは反応すらしていなかった時には流石に焦ったが無事だったようだ





「よし!!場所と距離は!?」



「此処から南東に約7km!!丁度そこに廃ビルがあっので、そこだと。」


「全然逆方向じゃねェですかィ」



「チッ。全員直ちにその廃ビルに向かえ!!」















…グー


『…お腹減った』


此処に来てどれ位経ったのか分からないけど
兎に角お腹が減った




さっきからずっとお腹が鳴っている
皇子は何も言わないけど絶対聞こえてるよねコレ

うっわ恥ずかしくなって来た





こんな事になるなら
もっとお菓子食べとくんだったなァ



あ、帰ったらお菊さんにご飯作って貰おう










逃げ場所が無いからか分からないけど
此処に来て1回も見張りらしい人を見ていない


人の気配もしないし
ひょっとして私たち放置されてるんじゃ無いだろか…





このまま逃げちゃおっかなーとか思ったけど
唯一の扉にはしっかり鍵が掛かっていて、私たちではどうすることも出来ない









「咲夜さん。」



『はい??』



「好きな色は何ですか??」



『…はい??』




お腹の音を言われるのかと思ったら全然違うかった



『色ですか??』



「はい。折角なので聞いておこうと思って。」



何が折角なんだろう…??




『う〜ん…強いて言うなら黒??ですかねェ…』



「…黒ですか??」




『はい。あ、それか黄色…と言うか蜂蜜色??とかも好きかもですね』



女の子で黒は変わってるかな??とも思ったけど
浮かんだ色がそれくらいだったからしょうがない



ピンクとか私っぽく無いですしね

アハハ






…そうですか
と短く答えて皇子は黙ってしまった



『あの…』




バンッ!!!!




「『!?』」






いきなりドアの開く音がして見ると
攘夷浪士らしき人が立っていた



ヤッパリ誰か居たんだ





『え??』



呑気な事思ってる内にいきなり腕を引っ張られてそのままどこかに連れていかれた










連れて来られたのは屋根がほとんど崩れたビルの最上階


私達が居たのはどうやら廃ビルだったらしい


そんなに大きくは無いが隠れ家には丁度良いぐらいだ






床も崩れている所が多くて狭くて私と数人の攘夷浪士でいっぱいいっぱいで


今は残った屋根の部分でギリギリ雨に濡れないような状態だ




『あ、!!』


下を見るとパトカーが沢山止まっていた








「攘夷浪士に継ぐ!!!!テメェらは完全に包囲したァァア!!大人しくお縄に付きやがれ!!」




キィィンとした音を出しながら土方さんが拡声器を使って此方に訴えてきた




「黙れ!!こっちには人質がいるんだ!!此方の要求を呑まないならこの女を殺す!!」



チャキッと音がしたと思ったら首に刀を宛てられた









「…まァどの道返すつもりは無いがな」


『…え??』



「皇子なんかよりもお前の方が有る意味良い道具になる…」



クックっと笑って小さな声で男が言った













男達の要求は【捕まった仲間の釈放】と【真選組の解散】だった




『ちょっ、!!真選組の解散って何をー…!!』



言ってるんですか!!と言う前に顔に刀を宛てられて思わず喋れなくなった






「……分かった」



『!!』





「…ほう。ヤケに素直だな…だったらもう役人じゃねェんだ!!刀なんて物騒なもん持ってたら駄目だよなァ」




ニヤリと笑って男が土方さん達に言うと
チッと舌打ちした後バタバタと皆刀を地面に置いていく





これじゃあ直ぐに皆がやられてしまう!!



『何やってんですかッ!!私なんかどうでも良いんでこんな奴らやっつけて下さい!!』




刀を宛てられている事なんか忘れて気付いたら叫んでいた




「黙れッ!!」



男がそう言うのと同時に私の首からツゥーっと
血が流れた




『ッ!!』







「あんま調子乗ってんじゃねェぞ!!……さァ!!早く仲間を開放しろォ!!」






どうしよう……
私のせいで真選組が…


どうしよう…

何とかしなきゃ、








ドスッ



『!?』



隣で鈍い音がしたと思ったら私を捕らえていた男が突然倒れた


「…ッたく。調子乗ってんのはテメェでさァ、よくも俺の仕事増やしやがったなコノヤロー」



いつの間にか男の変わりに隣には沖田さんが居て、一瞬で私を捕らえて居た男を倒してしまっていた




『沖田さん!!』



「手間掛けさせんなアホ、…怪我は??」


『アハハ、スイマセン。対した事無いです、大丈夫です!!』


言いながらも直ぐに縄を解いてくれたと思ったら
いきなり行きやすぜ、と言うなり担がれて
そのままビルから飛び降りた




真選組の方を見てみると、皆刀の変わりにバズーカを持ってスタンバって居た






『…ェェエ!?ちょ、ここ屋上ォォオ!!』






飛び降りたと同時にドォォン!!と
爆発音がして屋上がさっき以上にボロボロかつ黒焦げになっていた




[*prev] [next#]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -