ーーダンッダンッダンッパンッ


ダンッダンッパンッダンッパシッーー





力強く床を踏み込む足音と
竹刀と竹刀がぶつかる音



普段はチンピラだ何だと言われている彼らも
此処ではその姿など微塵も感じられぬ程ただ竹刀を振るっている


‥パーンッ!!!!





「そこまで!!」





「「「「ありがとうございましたァァア!!!」」」」





近藤さんの一言で全員が一礼する




『……かっけー』

















「コレ道場に持って行ってあげて」



15分程前にお菊さんから道場で稽古している皆にお茶とタオルを届ける様に言われ道場に持って行ったら

普段はアホみたいに騒がしい隊士の皆が真剣に竹刀を振るっているのを見てビックリした





今更だけど此処は私がいた世界とは違うんだと実感する


この人達は刀を振るう事が仕事で
この世界はそんな彼らが必要なんだ



私何かじゃ想像も出来ない様な、
堅い意識と曲がらない魂が此処には有るのだろう




「咲夜ちゃんそんな所でどうしたんだ??」




ボーっとそんな事を考えていたら私に気付いた近藤さんがこっちにやって来た






『嫌、皆凄いなぁと。』



本当に普段の様子とは全然違うよ??



『こういう所を街の人達に見せたら良いのに…』




変な所しか見せないからチンピラ警察24時とか言われちゃうんだ




「ガハハ、咲夜ちゃんは痛い所を突いて来るな!!」



『だって、何だか悔しいじゃ無いですか』



せっかく皆こんなに頑張って、自分達の力で江戸を護ってるのに


幕府の犬だとか税金泥棒とか言われて
感謝しない人だって居るんだ



『今ある平和は近藤さん達のお陰なのに…』



大袈裟に聞こえるかもしれないけど、
私は本当にそう思ってる




「咲夜ちゃんがそう思っていてくれてるだけで俺は嬉しいよ!!ありがとう」


それに、俺達が江戸を護ってるのは別に褒め称えて欲しいからでは無いし



ソレを分かってくれてる人が居なかったらソレはソレで良いんだ。


少なくとも此処に1人居る事は分かったからな!


と彼は笑った



『近藤さん…』


お人好し過ぎる人だな、

でも、近藤さんはそれで良いと思った



きっと私だけじゃなくて他の人達もそう思っているだろう






「まァでも、俺たちはコレしか無いからな」


ガハハと笑って竹刀を前に出す


それは素人でも分かる程使い込まれた様子で
長い間振るって来たことが分かる


きっとここにある竹刀は
私が此処に来るずっと前から
皆と過ごして来たのだろう








『…あッ!!忘れてた。』




お茶とタオルです。と皆に配る

そう言えば仕事中だった





「おッ!いつもスマンなァ」




『いえ、皆無理しないで頑張って下さい』



「あァ。ありがとう」





さてと私も仕事に戻ろう

いつまでも此処にいたらお菊さんにシバかれる



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