「……」
短い日向からの手紙
そこには、俺の良く知る日向の字があった
「…チビって言った事、まだ根に持ってたんだねィ」
「何してんでさァ」
『あ、総悟ナイスな所に…ちょっとあの箱取って!届かないの』
「…ッたく、コレだからチビは大変だねィ」
『はァ!?総悟だってチ…痛ァ゛!?』
「あー悪ィ悪ィ、ついウッカリ手が滑りやした」
『…ッチ、…!あ、…私も足が滑ったァァア!!』
「…ハッ!日向のヘナチョコキックなんて痛くも痒くも無ェや」
『……総悟のクセにムカつく!』
「………。」
『あ、総悟またご飯残してる!ダメって言ってんじゃんか!!』
「…お前の盛り付けが多過ぎるんでさァ、朝からこんなに食えるか」
『昨日食べたご飯少なかったから、その分だったんですゥ!!…何?もしかしてダイエットでもしてるの?ひょろひょろのクセに』
「ひょろひょろ言うな…俺は誰かさんと違って贅肉は無ェから痩せる必要は無ェんでさァ」
『…ちょっ、私の二の腕掴みながら言わないでよ、傷付くわ!!』
ありふれていた日常がふと、頭を過ぎった
ーーーカチャン、
今日もまた、俺は朝早くから郵便受を覗く
日向からの手紙はアレで終わりでは無く、早くて3日に1度、…遅くても1週間に1度は届いていた
手紙は、全て俺に宛てられたら物で
ちゃんと仕事をしろだとか、寝るのは夜にしろと言う、普段から良く日向が言っていた事ばかりだった
手紙や字には、その人の心が現れると言うが
日向から届いた手紙は、まるで今の俺を見ているかの様で
手紙の中に本当に日向が居る気がした
変わらないキミに少し驚き、
その普遍をこれから先も強く望んだ
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