『沖田さん!沖田さん!!』


「…スー…」



『沖田さんってば!!起きて下さい!!』



「…スー…スー…」




何度身体を揺すっても、中々アイマスクの様にぱっちり目を開けてくれない沖田さん



普段ならこんな時は少し時間をあけてまた起こしに来るんですが、今日はそうはいかない




『おーきーたーさーんー!!起きろォォオ!!』



「………」



『……。』



「…スー…スー……」




『……お、沖田さんのばーか、あーほ、サド、童…が、ん……』




今なら起きないだろうと高をくくり、日頃の仕返しと言う名のイタズラで悪口+アイマスクを引っ張って遊んでたら、突然手首を掴まれた



そして、ニッコリ笑顔で一言



「何してやがんでィ」



『…い、いや、その……いい天気デスね』




返事の変わりに、真っ黒な微笑みが返ってきた


…今日も腹黒サド皇子は絶好調そうで何よりです










少しして、欠伸をしながらムクリと起きた沖田さんに言った




『今日1日私に付き合って下さい!』



「…は?」













「…遊園地?」



ほぼ強制的に連れて来られた場所は、国民的に有名な遊園地だった




『またの名を夢の国とも言います!』






いつの間にか片手にチケットを握り締めてた咲夜が、ウキウキしながら早く入ろうと言う




「……」



そのチケットは一体何処で手に入れたんだ、とまだ余り働かない頭で考えていると、急に目の前に顔がアップで来た




「…!?」


『何ボーッとしてんですか!!早く早くッ!!』



ハシャぐ咲夜とは反対にゆっくり歩く俺に痺れを切らしたのか、腕を引っ張って走り出した








『さて、どこから乗りましょうかねェ…いきなり絶叫はちょっとアレなんで、ゆったり系が良いですかね…でもなァ…』




さっきとは打って変わり、入った瞬間マップとの睨めっこが始まった




なぜ急に此処に来たのかは分からないが、来てしまった物はしょうがない


楽しむ事にしようと思った時、不遠慮に腹が鳴った


起きて直ぐに此処に連れて来られたから、朝食所
か咲夜以外の誰にもまだ会って無い




「…腹へった」














『さっきのお店めっちゃ美味しかったですね!!』


「ちと量が少なかった気もするけどねィ」



まだ開演してからそう時間も経って無かったからか、何処の店も空いていてすんなりと食べれた





『…さてと、どこに行きましょうかねェ』



マップを見ながら再び考え出した咲夜


近場にあるのから順に行けば良いと思って行ってやれば、人気のある物は早く乗らないと後が大変らしい





「!」



ふと前を見ると、違う意味で惹かれる場所に目がいった




「咲夜、」



『はーい?』




確かさっき、絶叫はまだとか言ってたよな…


ニヤリと笑って建物を指差した



「アレ行くぜ」


『…マジでか、』











『…あー、怖くなかった!』


「ウソ付け、ビビりまくってたじゃ無ェか」



沖田さんが楽しそうに私を連れて入ったのは、お化け屋敷




お化けって言っても機械じゃ無くて、人が実際に驚かして来る方のやつでそれは迫力が凄まじい




『…べ、別に怖かったんじゃ無いですゥ、ちょっとビックリしただけですけど?』



「へー」










『む…ッ!!沖田さん大変です!あそこで売ってる帽子が欲しいですよ私!!』



ここのキャラクターの耳やらリボンやらが付いた帽子やカチューシャが売っている店に走る



『沖田さんも一緒に買いますか?』



手に持っていた何かのキャラの形のカチューシャを見せる



「自分の分だけ買えば良いだろ」



『えー…セットで買ったら安くしてくれるって言うから……じゃあコッチはザッキーにお土産にしよう』






「…やっぱり買う」



『?』









『沖田さん、どうしよう……。荷物が凄く重いです、なんか手の感覚が無くなって来ました』



「目に付くモン片っ端から買ってくからでィ」



帰り道、移動する度に土産物を見ては買っていく咲夜は、両手いっぱいに袋を抱えていた




『1個持ってくれたりは、』


「運動不足が解消出来て良かったねィ」



『…鬼畜ゥゥウ!!』



運動不足ってそりゃあ最近ちょっとアレですけども…

あ、そう言えば体重最後に測ったのいつだっけ…、




感じたく無かった危機感を感じ始めた辺りで屯所が見えて来た





『ッ!!沖田さん!!』


「あ?」



『わ、私ちょっとアレなんで、先に食堂に行ってて下さい!!』



それだけ言って、1人走って先に中に入って行く



「?」



そんな様子を不思議に重いながらも、余り気にせず食堂に向かう


そして扉を開けた瞬間ーー




パンッパンッパンッ!!



「!?」



沢山のクラッカーの音と一緒に、おめでとうございますと言う隊士達からの声が響いた



「総悟誕生日おめでとう!」



「誕生日…?」



奥から現れた近藤さんに言われて気付く

そういやそうだった





『ああーッ!!?もう始めちゃったんですか!?』



現れた咲夜は、手作りと思われるケーキがあった

そして、笑って言った





『お誕生日おめでとうございます!』








『この為に朝から皆で協力したんですよ!ビックリしましたか!?』



「咲夜が考えたんですかィ?」



『そーですよッ!!』



「…ふーん」





(ねェねェ、ビックリしましたか!?)


(まァまァでさァ、)






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