『あー…めんどくさ…』



肌寒い季節も過ぎて、ぽかぽか陽気の今日この頃

外は雲一つ無い快晴で、外からはチュンチュン鳥の声なんかも聞こえてきて…




『……眠い』



全てのやる気を吸い取られてしまうここ最近




『動くのがめんどくさい…着替えるのも、布団から出るのもめんどくさい…』



めんどくさ過ぎて何もする気になれない

起きてからどれ位経つのか考えるのも面倒だけど、このままだとそろそろ土方さん辺りが怒鳴って起こしに来そうだ




怒鳴られるのは、それはそれで面倒くさい


…でも、起きるのも面倒くさい




『あ゛〜…もうあれだ…ワカメ辺りになりたい』



ずっと海の中をゆらゆら揺れて、何も考えずにいたい


ダラダラ〜っとそんな考えてたら、溜め息と一緒にザッキーが入ってきた



「何バカな事言ってんの?」



『バカじゃ無いですゥ…ちょっと人生をやり直したいんです、何もしなくて良いワカメになりたい』



「働けよ社会人」




布団から出ようとしない私を起こそうと呼び掛ける



「いい加減起きなよ、良い天気だよ」



閉まっていた障子を全開に開けて、外を見るように言われる



『あー…良い天気ですねー…』



小窓から見るより広く大きく見えて、それはそれはいい天気だ


入ってくる風がとても気持ちいい良い



『…日向ぼっこには最適な天気ですね』



「どう転んでも寝るんかい!」



激しいツッコミと共に、被っていた布団をはぎ取られた



お陰で私が昨日の夜から暖めていた布団の温もりがパーだ



『…あ〜あ、何するんですか』



寝転んだまま手を出して布団を奪おうとするけども、ザッキーが直ぐに部屋の隅に置いてしまった



「ほら、早く起きる」



『…えー…だって面倒くさいんですよ…もう体の筋肉を使うのが面倒くさい、このまま1歩も動かずに過ごしたい…私はワカメになりたい』



「咲夜ちゃんのその考えが面倒くさい」



大きな溜め息を付いて私に両手を差し出した



『?』



「起こして上げるから、手出して」



どうやら手を引っ張って私を起こそうとしてくれている様だ



『……』


それに手を出して引っ張って貰ってみる




「…咲夜ちゃん起きる気無いの?」



『……』




引っ張られた状態で、私は全ての身体の力を抜いた


つまり、ザッキーが手を放したらまた布団とこんにちはだ






引っ張られたまま少しザッキーに起きる様に言われ続けてたら、沖田さんが廊下を通った




『あ、沖田さ…ウガッ!?』


「…何してんでェお前ら」




今の状態を説明すると私が、あ、沖田さんって言いかけた瞬間に

沖田さんに気付いたザッキーが、掴んでいた私の手を放した



…ら、ぶら下がっていた私が布団とこんにちはして思わず変な声が出た


…ってな感じです








…この時、俺山崎退は瞬時に理解した




咲夜ちゃんを起こす為とは言え、寝ていた女の子の部屋に入り


起き上がらす為とは言え咲夜ちゃんの布団の上で咲夜ちゃんの手を掴んでいた



「…何してんでェお前ら」



「……」



…この事が沖田さんにバレたら、限りなく厄介な事になる、と…




ここは、沖田さんに素早く、かつ的確に今の状況を説明して…



『…ザッキーが私を寝かしてくれないんです』


「寝かす?」




『勝手に部屋に入ってきて、寝ていた私を無理やり起こして、私の意見を無視して好き放題されました』




「…へェ……。」



「何紛らわしい言い方してくれてんのォォオ!?」



確かに勝手に部屋には入ったけど!普通に起きてたじゃん!?

起きるの…ってか動くのが面倒くさそうだったのを確かに無理やり起こそうとしたけど!!


…一体俺のどこが悪いんだァァア!?





さっきまでのダルそうな言い方とは一変で言う咲夜ちゃん

それを聞いた沖田さんも黙ったままだ



ダラダラと嫌な汗しか出て来ない俺とは反対に、部屋の中は異様な肌寒さを感じる


…さっきまでの春の暖かさは何故か感じる事は出来なかった






(…ザキ、ちょっと来い)


(え…ちょっ…まッ……ギャァァァア!?)



(……おやすみなさい)




*******


ヒロインちゃんとザッキーを絡ませるのが
最近楽しくて仕方がないww


因みに山崎退の災難 その2は4万打企画のページにあります(・∀・)





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