「あ、咲夜ちゃん丁度良かった」


『?』


「探してたんだ、はいコレ」



廊下でばったりあったザッキーが、可愛くラッピングされた袋をくれた


中を覗くと美味しそうなクッキーが入っていた



『…?』



謎に貰ったクッキー
私何かザッキーにしたっけな…?


不思議に思った私を見てザッキーが言った



「ほら今日ホワイトデーだから、お返し」



そっか、今日だったのか…すっかり忘れてた

…しかもお返しって、私体したものあげてないのに何か悪いな…



『ありがとうございます!』



…とも一瞬思ったけど、貰えるものは貰ったもん勝ちですよね!


休憩の時に食べよっと



「クッキー嫌いじゃ無かった?」


『全然ですよ!むしろ大好きです!』


皆さんお忘れかもですが、私は甘党なのです
お菓子が大好きなのです!!

そんな私が貰ったクッキーにケチを付ける訳が無い


「なら良かった、じゃあ俺仕事戻るね」



戻って行くザッキーを見送って、私も仕事に戻る





…本当は、今すぐにでも皆からお菓子を貰いたい所だけど…
仕事をサボってるのをお菊さんに見付かる訳には行かない
お菊さんに怒られるのは嫌だ

近藤さんは良いとして、土方さんは仕事が終わらないとくれない気がする


2人共高級なお菓子とかをくれそうだから、キッチリ仕事してでも貰わなければ!!







『…と、言うわけで頑張った成果がコレです!』



ドンッ!!と効果音がつく勢いで見せたお菓子の山


「…スゲェな」


仕事をしている途中に出会した隊士の人達がくれたバレンタインのお返し


何故か殆どがクッキーで、みんなホワイトデーのネタ被り過ぎだろとか思ったけど、

貰えるなら正直何でも良い



「こんなにあるなら俺の必要無ェんじゃね?」



『何言ってんですか!?いるに決まってるじゃ無いですか!』



呆れたように言う土方さんに対して真剣に抗議する


「どんだけ食い意地張ってんだよ」



なんやかんや文句言いながら、絶対用意してくれてるのが土方さんだ


此処で貰え無かったら何の為に仕事を頑張ったのか分からないじゃ無いか




「…ったくしょうが無ェな、」



『!』



ゴソゴソと棚から小さな箱を取り出した


「ほら、」


『…こ、これは…!!』



有名な不三家のクッキー
しかも季節限定の桜味!?



「お前こう言うの好きそうだからな」


『流石ですね!』



期待してた反面、もしマヨだったらどうしようと思ってたけど流石土方さんだ


「一応マヨもある」


『本当にありがとうございましたー』


「オイ!聞けやコラ!」




後ろで何か言ってるのを無視して部屋を出た



さァ次は近藤さんの所にれっつらゴー!!




『こんどーさんッ!!』


妙ちゃんの所かもと思ってたけど、自室にいたから直ぐに見付かった


「おォ咲夜ちゃん、お疲れ」


『お疲れ様です、お茶どうぞ』


「ありがとう」


2人で一緒にお茶を飲んでまったりする

流石お菊さんが淹れれくれたお茶だけあって美味しい


私が同じように淹れてもこんなに美味しくならないのは何でだろう…?



『…なんかお茶菓子が欲しくなる美味しさですよね』


「本当に…あ、咲夜ちゃんコレ食べる?」



差し出されたのはこれまた高そうな箱に入ったお菓子

「ホワイトデーのお返しだ」


ガハハと笑う近藤さん

やっぱり土方さんと言い近藤さんと言い他の人とはくれる物が違う…



『…だから何でクッキー!?』


中身は美味しそうなクッキーが、

…貰う側だし、文句がある訳じゃ無いけど…貰った9割がクッキーって

バッティング率高過ぎだろ
みんな一緒に買いに行ったとしか思えない


…いや、別に好きだけどね!?






「何騒いでるんでィ」



アイマスクを頭に着けて現れた沖田さん

そう言えば今日は見てなかったと思ったら、どこかでまた寝てたっぽい



『…また仕事サボってたんですか?』


「俺がいつ仕事サボったんでィ」



じゃあその寝癖は何だと思っていたら、1枚クッキーをパクられた



『…あ!』


「1枚ぐらいケチケチすんじゃ無ェや」



…別に良いけど…なんか言い方が腹立つな…



「総悟も咲夜ちゃんに渡しに来たのか?」


「…?」



近藤さんの質問に不思議そうな顔をする沖田さん


…うん

期待はしてなかったけど、やっぱり忘れているよね
何たって私も忘れてたぐらいだもんね




「今日はホワイトデーだそ!!」


「…あー」



そう言えばそうだった、みたいな薄い反応

スゴく沖田さんらしい



「それでお前、色んな奴から菓子をブン取ってる訳かィ…」


『ちょっ…違いますから!!その言い方止めて下さい!』



似てるけど全然違うから
そんなジャイアニズム吹き散らして無いですから!!



「総悟は何か準備してないのか?」


近藤さんに聞かれて、一瞬考えた素振りを見せた後ポケットの中をあさり出した



「あ……ん、ほら」



何かを見付けたと思ったらそれを私に差し出した



『…のど飴』



おばあちゃんか!

ポケットの中に偶々入ってたからコレでいっか、みたいなノリで済まされた





(…ありがとう御座います)


(おう…ボリボリ…)

(それ私のクッキィィイ!!)




********


今更ですがホワイトデーネタでした(・∀・)w

お返しのお菓子によってちゃんと意味があるのを最近知りましたww





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