キミには必要無いのかも知れないけど上げるヨ




『……ハァ、』



ここ数日この間の事が頭に浮かんで仕方がない

受け取った機械はどうしたら良いか分からなくて、机の引き出しに閉まってある



私は本当はどうしたいんだろ…?
考え過ぎて頭が痛くなる


ずっと此処に居たい…けど、




「咲夜ちゃんってば!!」


『はいッ!?』



突然耳元で大きな声で叫ばれてビックリする
声のした方に振り向くとそこには誰もいなかった

…ホラー?





「どこがホラー?今思いっきり目合ったよね!?」



『なんだ、ザッキーか…あんまり大声出さないで下さい』



頭がキーンってなって地味に響くからやめて欲しい


「そんなに大声出したつもりは無かったんだけど…さっきからずっと呼んでたのに聞こえなかった?」



『マジでか』



全然耳に入ってこなかった…
…一気に色々考えちゃうと他のこと全然見えなくなるからなァ

だからか、今日はフラフラしてて何度か壁や柱にぶつかった




「…なんか顔色悪いけど大丈夫?」



『大丈夫ですよー、ちょっと考え事してただけです。…で、どうしたんですか?』



「あ、そうだ、おばちゃんが呼んでたよ」



『お菊さんが?りょーかいです』



買い出しか何かかな…

お礼を言ってから、食堂に居たと教えてくれたのでそのまま向かった


てか、少し顔に出てたのか…

心配掛けない様に気を付けないと…!





『お菊さーん』


「あァ、悪いけどちょっとお醤油買ってきてくれる?」



『りょーかいです』


やっぱり…醤油切れ掛かってたもんな
お金を渡されてすぐ、驚いた様にお菊さんが言った



「…アンタ手凄い熱いけど大丈夫?」


『そうですか?…いつもくらいだと思いますけど』




自分で自分の手を触ってみても良く分からない
いつもこんな感じだと思うけど…

もし体温が上がってるなら、きっと新陳代謝が良くなったんだ!

よっしゃ!
昨日考え過ぎていつの間にかお風呂で寝てたから、いつもより長く浸かってたお陰かも…!!






「おい咲夜、今から外に出るのか?」



廊下で出会った土方さんに聞かれた

…これは、少し面倒くさい匂いがする



「帰りに総悟連れて帰ってきてくれ」



…やっぱりな
それだけ言ってサッサと自室に戻ろうとする

相変わらず私の返事は聞かない感じなんですね…
別に良いけど!

しかし、私を見て何かに気が付いた様に止まった



「お前…」


『…?』



一瞬ジッと私を見て真剣な顔で言った



「…なんか顔赤くね?」


『…何言ってんですか?』



私が土方さんなんかを見て頬を赤くする訳無いじゃないか


「土方さんなんかってなんだ、なんかって」

『そう言う意味です』


まったく、勝手に人の心を読まないで頂きたい


「…まァ良い、とにかく頼んだぞ」


やっぱり私の返事を聞かずに、今度こそ自室に戻った










『…重い』



スーパーで醤油を大量買いした私
大所帯で何か買い出しに行くとなったら、それだけで大変な量になる


一刻も早く帰って休みたいところだか、まだ沖田さんを探し出して連行しなくてはならない


まったく、サボリなら屯所でしてくれたら良いのに…


いつにも増して重たい荷物に苦労しながら、フラフラと足を進めた






『…見つけた』



駄菓子屋の近くの公園

そのベンチでチューパットを加えながらボーッとしているのを発見した


『沖田さん帰りますよ〜』


さっきよりも肌寒くなった気温に、もっと厚着をして来れば良かったと後悔したけど…これでやっと帰れる



『…こんなに寒いのに、良くマフラーも無しで平気ですね』


「…寒い?」



もう一度帰ろうと言って、足を進め様とした瞬間
急にクラァっとして、そのまま沖田さんの方へ倒れ込んでしまった



「おい、咲夜!!…って凄ェ熱じゃ無ェか」






(考え過ぎた結果)


(熱が出た)





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