『あと…も〜少しッ!』





居間の棚の上にあるダンボールの中の荷物を、お菊さんの所まで届けたいんだけど…



台に乗っても届かない


その上に辞書とか分厚い物を乗せても届かない


背伸びをしてもギリギリ届かない目的の物




後1ミリの高さが、今の私にはエベレスト山脈並の高さに感じるぜチクショウ





別に特別背が低い方じゃないと思うけど…なんでこんなに届かないんだよ



あれか?此処は皆私より背が高い人ばっかりだから、自然に私にはギリギリ届かない高さがちょうど良いのか?


微巨人国なのか!?



そォォはさせるか…だったら私も絶対仲間入りしてやるぜ




『コノヤローッ!……ゥワァァ!!』





ドンッ!!バサバサバサーー




勢い付いてジャンプしたらダンボールと一緒に床に頭からこんにちはしてしまった




『〜〜ッ痛ったァァ!!』



たんこぶ出来た!絶対コレはたんこぶ出来た!!





「どうした咲夜ちゃん!?大丈夫か!?」




『近藤さァァん!ここら辺たんこぶ出来てませんか!?』



「え?たんこぶ?」





どれどれと見てもらった結果やはり立派なたんこぶが発見された


クソッ…コレも微巨人国の罠か!?










「おっ…懐かしいのが出て来たな!」



ダンボールから落ちた荷物の中にあった数冊の本


それを懐かしそうに1冊開いた




『…アルバム?』


「そう、俺達がまだ武州にいた頃のやつだな」



ほらと言って見せてくれた写真には、今よりもずっと若い近藤さん達の姿があった











『…えッ!?土方さんって髪長かったんですか?』



パッと見誰だか分からなかった男の人がなんと昔の土方さんだったとは…



短髪も長髪もイケメンとかアリですか?





『女装して欲しいくらいの美形さんだ』




長髪だからって言うのもあってか今よりもずっと幼く見える




瞳孔の開き加減は相変わらずで、その上昔っからモテそうな顔してる





『今度沖田さんと一緒に女装させに行こっかな…』



「誰がするか」





後からの声に振り向けば、呆れ顔の土方さん元言いポニ方さん





『あ、お疲れ様ッスポニ方さん』



「誰がポニ方だ…たく近藤さんも何やってんだこんな所で」



「まァまァ良いじゃないか、トシもコッチ座ったらどうだ」




ガハハと笑ってまた1ページ捲って行く










『あ、今度はチビ沖田さんだ!』




土方さんとスイカの取り合いをしているミニマム沖田さん




…なんと言うか、……か、可愛いなチクショウ



そこら辺の女の子よりも可愛いんじゃ無いだろうかと思ってしまう




童顔だなァ〜とか、女顔っぽいなァ

なんて思ったことはあったけど、いざ子供の頃のを見たらヤバいね




きっと悪魔の微笑みも天使の微笑みに見えるんだろうな




昔っから今みたいな感じだったんだな

土方さんにイタズラしてたり、近藤さんに懐いてたり…


…表情が今よりも子供っぽい事以外は対して変わってない気がする




「まァ基本対して変わってないんじゃ無いか?」



「ドSに目覚めた事以外は…俺への嫌がらせに磨きが掛かったぐれェか」




迷惑だと言わんばかりの顔の土方さん…そんなに昔から苦労してたとは





『あれ…この女の人誰ですか?』





そこには皆と一緒に笑っている綺麗と言うよりは、
可愛らしい女の人がいた








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