『…と、言う感じに…なりまして、その……。』



喫茶店のある席、そこで向き合って座る2人

…もと言い、私と葵様



この間の事をいつ言うか、タイミングを計りながら
考えて考えて考えて考えた結果、考え過ぎて3日も経ってしまった




「…ハァ」



『ゴ、ゴメンナサイ』





皆様私の常日頃からの反省態度を見てお気付きの様に

葵様は怒ると大変恐ろしゅう御座います



どれ位恐いかと言うと、沢山の生禿に囲まれて説教されるくらい恐い



つまり、私がどうして3日も言い出せなかったかと言うと90%コレが原因


後の10%は流石に自分がヘタレ過ぎてこの現実を受け止めたく無かったから




「私はアンタを甘く見てたよ」



コーヒーを一口飲んでから私を見た



「好きな人に恋愛相談持ち掛けた時点で、次も何かやると思ったけと…てかもうヘタレ過ぎて尊敬するよ逆に」



凄い凄いと言いながら、店員さんにコーヒーのおかわりを注文する



「…で?今誰に片思いしてる事になってんだっけ?」



『さ、佐藤…君?』



本当に沖田君を目の前にすると、とんでも無い事を口走り捲る私の口は一体どうなってるんだ


佐藤君って、佐藤って……



「私はいつ男になったんだ」



そうです、葵様の苗字は佐藤

佐藤葵様なのです



『で、でも!流石に同じ学校とか同い年はバレると思ったから…!』



「年上の、喫茶店でバイトしてる、知り合いの、佐藤君…だっけ?」




そもそも葵以外に私の友達で佐藤って苗字の人は居ない

沖田君に話した時に色々誤魔化す為に絶対にバレないようにそう言う事にしたのだ



「確かに友達には居ないかもだけどさ、それって……私の兄ちゃんじゃね?」



『………ソウナンデスヨネ』




葵のお兄ちゃん、佐藤翔樹(しょうき)君は確かに

年上で、喫茶店でバイトしてて、勿論私の知り合いって言うか寧ろ割と仲良しさんで、



ついでのついでに、昔好きだった人



今は沖田君一筋だけどね!!



佐藤君って誰だ?って考えてたら頭に浮かんで来たから、そのまんま伝えてしまった




「…もー兄ちゃんで良いじゃん。今彼女居ないし、本当に沖田君に応援してもらえば?」



『…それはヤダ』



いくら前好きだったとしても今は沖田君が好きなんだもん



「じゃあ阿呆みたいな嘘付かないで、これからはもっと積極的になれ!」



ビシッと効果音が聞こえそうな勢いだ、勢いだけども……




『積極的ってどうやって……?』



恋愛に関して私からは確実に一番遠い言葉だと思うよ


そもそも、それが出来ればこんな状況にはなって無いからね



「ふっふっふ、任しとけ!私に良い考えがある」



ニヤリと笑う葵の影に黒い物が見えるのは幻覚だと思いたい




「恋の応援の前に咲夜!…アンタのヘタレを直そっか!!」



ニコリと笑う葵に黒い影が離れないまま、こう言った




その名も【脱ヘタレ計画!】



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