「…ほォ、じゃあ結局彼女でも何でも無かったと、ただの勘違いだったと」




ネェチャン事件が無事解決し、私の平和が戻って来た昼休み




『そーいう事ですな、』




お昼を買ってきてくれた葵にさっきの事を報告して、マッタリとしたランチタイムが私の中で始まる所だった




「で、それが分かって今はひと安心してる所と、」


『…まァ、ひと安心って言うかね…彼女がいないって分かって単純に良かったと言うか…、沖田家は遺伝的に美形が産まれるんだなって』



なんとなくしか覚えて無いけど、今更ながら沖田君とお姉さん顔とか似てた気が…



「ふーん…良かったね」


『うん?』




何故か不満の残っている様子でチューッとパックのジュースを飲む



そして、一言



「それで、何でそっから動いてないの?」


『何が?』



「何がって…」



『?』




葵の言いたい事が全く伝わっていない私に、ため息を吐いた







「沖田君に彼女がいると思って、かなり落ち込んで泣いたのは?」

『…私、です?』



「沖田君に咲夜は他の人が好きって勘違いされるのが嫌だったのは?」

『…私…っすね』



「じゃあ今まで沖田君に友達発言されて、モヤモヤしてたのは?」

『私…ですよね』





「だよね!じゃあ咲夜が今する事は!?」


『え?え…ッと…』



ジッと私の雌を見詰めて言う葵に戸惑いながら一言





『お昼を食べる…とか?』









「……うん、そうなんだけどね?」



『…うん、ごめん』



…なんだろ、この外した感…なんか恥ずかしい



「イヤ、別に私の言いたい事が分かってるなら良いんだけどさ?」


『…うん、ごめんね分かってる』




ここまで言われたら、察しの悪い私でも流石に分かる…



KOKUHAKU……
…そろそろちゃんとしなよって事…だよね?



「…自分のペースがあるのもちゃんと分かってるからさ、無理に今直ぐとは言わないけどね…、」


『…うん、ありがと…ただ1つ良いかな…?』


「?」




自分でも良く分かってるつもりだけど、でもやっぱり肝心な事が分からない



『コ、コクハクッテ…何ヲ…?』

「………は?」



ダラダラと汗が止まらない

告白の意味は分かってる!!分かってるんだけど……



沖田君に告白しないといけない事が多くて…
何から告白するべきなの?



今まで翔樹君が好きって嘘付いてた事?

あの時泣いたのは沖田君に勘違いされてるのが嫌だからって事?

連絡先実はまだ教えて貰ってないって事?

…沖田君が好きって事?



『…ド、ドレデショウカ…?』



「…もー、全部言えば?面倒くさい」


『投げやりやめてェェエ!!』



面倒くさいって言ったよ!
私の必死の思いを!



『う゛ー……』


「自分でまき散らした種でしょ」




いや、そうなんだけどさァ…なんて言うか…



『葵なら全部簡単に解決する方法を知ってる気が…』


「お前はのび太か」



なんでも頼るなって一言だけ言われた所で昼休みが終わった







…沖田君に告白、ねェ


『……。』



改めて考えてみても現実味が無いと言うか、想像出来ないと言うか…


言うとして、なんて言うんだ私は?



いきなり告白?
いやいやいや…ムリだろ

…と言うか、前に彼女はいらない的な話を聞いた様な気が…


…じゃあやっぱりムリじゃね?
そんなんだったら今のままの関係でも……う〜…ん…




考えながらふとグランドを見ると、外で授業をしているクラスが見えた



『…あ、』


何となく見た先に見知った人物、中沢さんがいた



あの後色々あって忘れてたけど、改めて考えたら中沢さんってやっぱりスゴいなァ


『……。』



「…沖田君が…私に興味無いのは知ってる。…でもッ!これから先もそうだとは限らないから…!!」


「私の事をッ…見て下さい…ッ!」

 




『…ずっと、頑張ってたんだよね』


あの時は私も色々言ったけど、少なくとも私が対して何もして来なかったのは本当だもんね


やり方はどうあれ、私がただぼんやりしてたてた間、本当に好かれようと努力してたんだよね、




『……』


覚悟、そろそろ私も決めなきゃだよね…









『私、沖田君にちゃんと言う事にしたよ』


掃除中、決意が折れないうちに葵に報告する

さっきの今で驚いてたけど私を見て笑ってくれた



「ダメだったらまた失恋パーティーしてあげるよ」


『うん、ありがと』


















「……あれ?行かないの…?」


『…え、どこに?』



報告して、また掃除を再開した私に何故か不思議そうな葵



「いや、沖田君の所?」


『え?何で?』



「……コクるんだよね?」


『…う、うん…そうだけど?』


誰かに改めて言われると、なんか恥ずかしいな…
こんなんで沖田君にちゃんと言えるのかな…ヤッベ、不安になってきた



「…今、行かないの……?」

『えッ!?行かないよ!!』


「……。」


今行ってもちゃんと言える自信無いし!!

すると、ポツリと廊下を指差して呟いた



「…あ、沖田君」


ビクッ…バタンッ!!



「…何やってんの?」


『……べ、別に、』


とっさに駆け込んだ掃除用ロッカーをノックして私に言った


「『………。』」



何となく気まずい空気の中、ガチャリとロッカーから出る


「大丈夫…なんだよね、?」


『…うん、覚悟は…決まった、はず』



*****

次こそ本当に最終話…なはず!!


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