葵にと色々話して、やっぱり沖田君に誤解されたままでいるのは嫌だと気付いた


…だから、いつか本当の事を伝えなきゃ






『…右よし、左も…よしっ！！』


「…何してんの？」




昼休み、ジュースを買いに行く私は今までに無いくらいの警戒態勢に入っていた

そんな私の行動を、呆れた顔で見ている葵に手招きをする




『そんな堂々と歩いてたら見付かるかもでしょ！』


「…誰に？」




『お、沖田く…』


「ていッ！！」


『〜ッ痛ァァア！？』



答えた瞬間に頭にチョップをキメられて、ジーンとした痛みが頭を走る


「え、ごめん聞こえなかった。誰だって？」


『……沖田君、フゴッ！？』



今度は無言でチョップした後に、ゴゴゴゴォ…って音が聞こえて来そうな迫力で私を見ている



「何でそうなるの？」


『…えっと、』



「この間話してたのは私の夢？」


『……現実デス』


「だよね？」



それだけ言って、ニコリと笑っている葵が最強に恐ろしい


これは…いい加減にしろよ、と怒ってらっしゃるッ…！？

ガクブル震えながら、首がもげる勢いで頷く


…これは覚悟を決めて、沖田君の所へ行かなければヤバいッ…




「…言っとくけど、今すぐ沖田君の所に行け、とか思ってないよ私」


『…え、そうなの？』


「ヘタレ代表取締役のアンタが、今の状態で沖田君の所に行けるなんて期待してない」



『辛口過ぎるなオイ』


真顔でサラリと言い切る葵

…したら、なんでそんなに怒ってるんだろ？




「…私が怒ってんのは、あからさまに沖田君を避けまくってる事」


『！！』


真っ直ぐ私を見て言った



「そんな事しても意味ないし…てか余計に話がややこしくなるだけだし、逆に沖田君にされたらどう思う？」


『多分泣く』



多分…てか絶対にだけど


「まァ沖田君は特に何も思わないかもだけどね」


『それはそれで泣く…私が』



…現実味ありすぎて想像出来るわ
本当に

そもそも沖田君に会った時って8割私が訪ねてるもんね…



「でしょ？てか今までだって普通にしてても滅多に会わなかったんだから、隠れてても意味ないっしょ」



『…確かに』



それを言われると、何でこんなに必死で隠れてたんだろ…



「…まァアンタがそれなりに積極的に頑張ったって証拠だよね」



『！！』



…ま、まただッ…


また葵が私を褒めたッ…！？



……ピタリ、



「…何してんの？」



『イヤ…熱でもあるのかなって……葵もしかして死ぬの？私を置いて逝っちゃうの？』



心配してそっと額に手を手を当てて見るけど…うん、熱は無いみたい


だとしたらやっぱり病気としか考えられない…

この間に続いて2回も私を褒めるなんて…



「分かったもう知らない、告白する前に勝手にフられろ」


『ゴメンナサイッ！！許シテ下サイッ！！』


「言い方腹立つわァ」



ケッとした態度で微妙にフテクサレた葵

パッと見怒ってる様に見えるかもだけど、実はそんな事無くて


なんやかんやで私の事を1番気にしてくれてる…

「そんな事無いからね」


『真顔で言わないでッ！？』



そんな真顔でサラリと言われたら傷付くからッ！



「…とにかく、コソコソ隠れないで普通に…今までの咲夜らしく居なよ！」



普通に…、私らしく……！



『分かった！今まで通り私らしく…』


バレない様にコッソリ陰から見ておこう！


「それただのストーカー、初めに戻り過ぎでしょ」



コソコソが、コッソリに変わっただけだと言うけど、全然違うからね！

イヤ、そもそも私ストーカーじゃ無いけども！





「…あの、月城咲夜ちゃん…だよね？」



『え？……あ、』




ふと呼ばれて振り返ると、そこにはなんと意外な人が居た



『…中沢…さん？』



「ちょっと話あるんだけど良いかな？」



相変わらずの可愛さMAXの中沢さんは、

これまた可愛さMAX越えの笑顔で私に言った





＊＊＊＊＊＊＊＊

沖田君が全く出て来ないw

2人の絡みを引っ張り過ぎましたねwww


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