そらみのまど



「空はいいよな。俺、空になりたい」

外に広がる昼下がりの青空を見て熱斗はそう言った。
ポカリスエットのラベルを貼りつけたような真っ青な空。

「俺のことは?」

炎山が訊くと彼は笑いながら
「世界どこでも繋がってるんだからそこから炎山を見てる」と言った。

そんな一方的なのは嫌だ、そう思った炎山はまた口を開く。

「俺が熱斗のこと触れられない」
「そしたら雨や雪になって炎山のとこに行く。そしたら触れるだろ?」

熱斗は目を閉じて言った。
なんにせよ空になりたいだなんて、純粋にそう思ってるのか
はたまた他の気持ちに対しての示唆なのか。
今の彼ならどちらでもあるようで炎山は少し不安になったし
何より雨や雪だなんて。

(そんなの、すぐに消えてしまうじゃないか。)









そらになりたいなんて、いわないで。



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