『そんなワケないじゃん!!

……でも、産んでくれるの?その……ボクは、君が思うより綺麗な人間じゃない』













彼の言葉でこれまでの数日間の出来事を思い出し、現実に引き戻された。










『君も知っての通り、ボクは仕事で時にはヒトを殺すことだってある。

そんな男の子どもを産んで、君は本当に幸せなワケ?』











チャールズの言葉は重い。






彼の表情から、この距離をあけていた数日間、彼なりに色々考えてくれていたのだろうということが伝わった。











彼はきっと変わらない。










ヒトを殺めるのを悔やんだりしないし、




ヒトを殺めることに罪悪感を抱いたりしない。











……けれど、私も決めたのだ。













「もちろん産むわ。

だって、あなたとの大切な子どもだもの」


















笑ってそう答えると、







チャールズは泣きそうな顔で私を抱きしめた。













久しぶりの抱擁に、思わず手の力が強くなる。









彼の罪の十字架を共に背負って生きていく。








たとえそれが茨の道だとしても。


















『きっと、君にそっくりな優しい子になるよ』


「あなたにそっくりな勇敢な子になるわ」























嗚呼、神様









私は呪われた女です。















悪魔のような彼を赦し








愛してしまったのです……。



















「グレイ伯爵夫人としての覚悟」
続く??



ページ数[3/3]
総数[68/80]





×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -