部屋に戻ると、名前はまだ眠りについていた。
『・・・』
貴族や淑女ってのは、大抵グレイ家の名前を聞くと態度を変え、媚びた声でボクの機嫌を伺う。
この花嫁もどーせ他の奴らとオナジ。
…だから、ちょっとからかってやろうと思った。
…―――新婚初夜
お風呂から上って部屋に行ったら、思った通り名前は体を強ばらせて緊張しているのが一目瞭然だった。
その様子がホントおかしくて、ボクは内心 笑いを堪えながら、
彼女に強引にキスをした。
からかうつもりだった。
ホントそれだけ。
なのに、彼女は泣いていた。
それを見て、
不覚にも綺麗だと思った。
せまって泣かれたのは初めての事で、
純粋に守りたいと思った。
『けっこー可愛いとこあんじゃん』
…なんて、
絶対、言ってやらないケド。
「守られた純潔」
続く??
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