「可愛い私の名前、言って御覧なさい。
私にできることならば、貴女の望みを何でも叶えてあげるわ」
ふふ…と聖母マリアのように微笑むヴィクトリア女王。
私は陛下の一番のオキニイリ。
だから、宮廷では私の思い通りにならないことなんてなかった。
「では、一つだけ……」
***
うるさいうるさいうるさい
誰かこの女の口を止めてくれ。
「なぁにブスッとしたカオしてんの?チャールズ!」
黙れ。
今ボクはもの凄く機嫌が悪いんだ。
そんなボクの心情とは裏腹に目の前で楽しそうにはしゃぐ女。
「ほら、ちゃんと笑ってよ。
みんな見てるでしょ?」
ボクに触れるな。
全部アンタが仕組んだことなんだろ?名前。
「今日は私たちの結婚式、
なんだから」← → ページ数[1/3]
×