とんだ勘違い










「あのー…雲水さん。」

「ん?」

「つかぬ事をお聞きしますが…さっきのお話はどういうことなんでしょうか?」



あぁ、説明してなかったかと雲水さんは淡々と言い放つ
説明してなかったかって全然冒頭部分もこちらは聞いてないんですけども!



「…阿含が全試合フル出場をしてくれるという話だったんだ。」

「へっ?」



話ってそれだけ?
あまりに予想外な答えに拍子抜けしてしまった

確か高見さんが言ってたけど阿含さんは滅多に練習に出ない(練習時間最短記録の保持者とか)。
それは練習だけじゃなくて試合でもそうで基本的に途中出場スタイルらしい。
ちなみにその後のスコアは倍以上にするっていうのも高見さんに聞いた。
そんな超サボリ魔な阿含さんの口から全試合、しかもフル出場?
…一体どういう風の吹き回しなんだろう。
でもそれはすごく良い事だよね、それは阿含さんが改心してくれたってことでしょ?



「世の中には本当に天と地がひっくり返るようなことも起きるんですね。」

「殴るぞカス。」

「…殴ってから言わないでください。



せっかく阿含さんをいい人という目線で見れると思ったのに。
…そうだった、この人の性分が既に悪人なのにいい人になるのは至難の技だってこと忘れてた。



もう一回殴られてェのか?

「冗談です!!そして心読まないでください!」



いくら天才でもエスパーめいたことをするのはチートが有効なSFの世界だけですよ!
そしたら思いっきりデコピンをくらわされた、痛い。



「全部顔に出てんだよカス。…あーそれとな」



急に阿含さんの顔が楽しそうになる。
…わたしは知ってる、この顔はよからぬことを考えている顔。



「雲子ちゃんの話は続きがあんだよ、最後まで聞かねーと後悔するぜ?」









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