「カナ、今のどういう意味?」
「え…えへへ。」
「…その曖昧なゴマカシを解明するまで質問するよ?」
「勘弁してくださいキッドさん。」
観念したあたしは手をあげて降参のポーズ。
キッドさんとは付き合って数ヶ月、未だにこの人に勝てた試しはない。
「…なにかあった?」
「え…そういうわけじゃないですけど。」
「だったらなんであんなこと聞いたの。」
『なんで私たち付き合ってること内緒なんですか』って。
「う…それは。」
「…怒んないから教えてよ。」
キッドさんが優しい目で訪ねてくる。
うわ…それはずるい。その目されたら素直になることを知ってての行動。
「…友達に彼氏いること報告したくて。」
「まぁそんな感じだとは思ってたよ。カナは隠すの下手だから。」
やっぱりキッドさんにはなんでもお見通しやったみたい。
だって、言いたくなるやないですか。キッドさんみたいな優しくてカッコイイ彼氏なら尚更。
そうつぶやいたらキッドさんは小さく笑って帽子をかぶり直した
「しょうがない、か。まぁいずれバレることだし。」
「…え、それじゃあ。」
「でもねェ…ひとつだけ条件がある。」
条件?そんなのひとつどころか100個でもいいですよ。
大好きなキッドさんを自慢できるならなんだって
「そう?じゃあ…目閉じてくれる?」
「え、なん…っ!!」
ご褒美のためならば( もう…陸とか牛島さんが帰ってきたらどうするんですか。 )
( これぐらいしないと俺にとって割に合わないでしょ? )
みんなのモノだと思ってた子、独り占めしてんだから。