Series SHORT | ナノ











「カナ、今のどういう意味?」

「え…えへへ。」

「…その曖昧なゴマカシを解明するまで質問するよ?」

「勘弁してくださいキッドさん。」



観念したあたしは手をあげて降参のポーズ。
キッドさんとは付き合って数ヶ月、未だにこの人に勝てた試しはない。



「…なにかあった?」

「え…そういうわけじゃないですけど。」

「だったらなんであんなこと聞いたの。」



『なんで私たち付き合ってること内緒なんですか』って。



「う…それは。」

「…怒んないから教えてよ。」



キッドさんが優しい目で訪ねてくる。
うわ…それはずるい。その目されたら素直になることを知ってての行動。



「…友達に彼氏いること報告したくて。」

「まぁそんな感じだとは思ってたよ。カナは隠すの下手だから。」



やっぱりキッドさんにはなんでもお見通しやったみたい。
だって、言いたくなるやないですか。キッドさんみたいな優しくてカッコイイ彼氏なら尚更。
そうつぶやいたらキッドさんは小さく笑って帽子をかぶり直した



「しょうがない、か。まぁいずれバレることだし。」

「…え、それじゃあ。」

「でもねェ…ひとつだけ条件がある。」



条件?そんなのひとつどころか100個でもいいですよ。
大好きなキッドさんを自慢できるならなんだって



「そう?じゃあ…目閉じてくれる?」

「え、なん…っ!!」






ご褒美のためならば

( もう…陸とか牛島さんが帰ってきたらどうするんですか。 )
( これぐらいしないと俺にとって割に合わないでしょ? )



みんなのモノだと思ってた子、独り占めしてんだから。



2014.12.15



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