「クリフォードさんってほんまは王族ちゃうんですよね。」
「ぶっ飛ばされたいのか?」
「うそです、ごめんなさい。」
「そうだろうな、それ以上何か言ったらついでにその口も一生開けなくしているところだ。」
いくらハッタリでも王族と名乗っている人間らしからぬ発言だったがもうそこは気にしないことにしよう。
クリフォードさんの顔は通常の4倍ほど不機嫌さでいつもよりも怖い顔をしている。
せっかくのカッコイイ顔が台無しや。
「そういうお前だって実は日本人じゃないんだろ?」
「ちょっと待ってください、何そのよくわからへん結論。あたしどっからどうみても日本人でしょうが!」
「セナたちと微妙に話し方が違うだろう。」
なるほど、そのクリフォードさんの言い分には説得力がある。
確かにセナやモン太、ましてや同じく関西出身の大和くんや鷹くんですら標準語やのに
あたしだけ一風変わった話し方してたらそういう疑問を持つのもわからんでもない。
「ほらアレです、英語圏でも妙に発音が違ったりするやないですか。」
「あぁ各国である訛りのことか。」
「そうそう!それと一緒です。やからあたしは純粋な日本人ですよ!」
「そうか…まぁ、」
「?」
「俺はどちらかというとお前の言葉遣いの方が好きだ…そう、アレとか。」
クリフォードさんが珍しくど忘れしたらしい、どうやら何かお気にいるの言葉があるんだと推測する。
だけどなかなか思い出せずに苦戦しているようだ。
「あー思い出せない!veryと同類語なのはわかってるのに。」
「…それって"めっちゃ"ですかね?」
そういうとそれだ、と思い出せてスッキリしたクリフォードさんの表情がほんの少し不機嫌度が軽減されたようだ。
しかしあのクリフォードさんが"めっちゃ"って言葉が好きなんてちょっと意外だ。
……今度みんなに教えちゃおう。
「でも、よく知ってましたね。めっちゃなんて言葉。」
「あ、あぁ…パンサーとタタンカが言ってるのを耳にしたんだ。」
「…クリフォードさん今の嘘でしょ。」
あ、今顔が物凄く引きつった。さすがに半年ぐらい一緒にいるとわかるもんやねんな。
きっとここで教えてくださいなんて言ったら絶対怒るんやろうなあ。
まぁでもそれわかってても聞いてまうのが関西人なわけで、なんでなんですか?って口がすでに開いてしまっていた
そしたら怒るかと思いきやクリフォードさん、顔が急に赤くなり出して
「…お前に言われたから。」
「え?」
「忘れたとは言わせねえ。言っただろう、あの時に。」
「……ごめんなさい、記憶にないですわ。」
「もういい、忘れろ。」
「えーーーー!それ良いエピソードなんやったら聞き直したい!次はバッチリ覚えますから!」
「嫌だ、絶対教えない。」
「そんなぁぁ!」
( クリフォードさんがめっちゃ好きです! )
お前が俺に言った告白の言葉だったから
なんて絶対死んでも言えるわけがない。
2014.11.19