Of only one?


※ヒル魔さんがセクハラ発言してます












あのままズルズルと引きずられ、グラウンドへと到着した。
そしてそこにはやーやー!と明るい声で手を振っている鈴音が立っていた






「やー!妖一兄、カナ!」

「鈴音…あれ今日学校は?」

「午前だから早く終わったんだー!それより妖一兄から聞いたよー?カナがチアやるって!」



うん、あたしも今さっき聞かされたましたよ。と心で小さくツッこむ。
さらにこれはヒル魔さんの独断であって、あたしの意思ではない!
とは思い切って言えないのが悔しい。どこまで悪魔なんやこの人は…!

まああたしに拒否権なんてないのはいいとしても



「なんでチアガール?」

「あ?」

「いやチアガールってアレでしょ?ポンポンもって持ち上げられたりとか思いっきり足上げたりとか。」

「やー!確かに盛り上げるには体力も必要だけど。」

「ある意味アメフト部となんら変わらない運動量な気がするんやけど」



さっきヒル魔さんあたしに雪さん以下の身体能力やって言いましたよね?
そんな奴にチアガールのしかも鈴音とダブルセンターなんて無茶とちゃいません?

そう言ったらケケケケケ、と悪魔ように小さく笑うヒル魔さん。



「端からそんなモン期待してねェよ。」

「それはそれで悲しいんで少しだけ期待して欲しいとこでしたけども。」

「テメーにはテメーだけができることで勝負すんだよ。」

「…あまりに簡潔すぎてよおわからへんから、もうちょい詳しく言うてくれません?」

「それ。」

「それ…それって、どれやねん!」



さっきよりも全然わからへんっちゅうねん!
大体あたしに出来ることなんかこうやって周りを突っ込んだりとかするしかできひんのに!

あまりの興奮にぜぇぜぇと息を切らしそうになるところに鈴音が間に割って入ってきた。



「やー!きっと妖一兄が言いたいのはギャップって奴なんじゃない?」

「は…ギャップ?」

「カナって顔に似合わず、コテコテの関西弁でしょ?だから一部からは人気高いって言いたいってことなんだよ!」



ねー、妖一兄?と鈴音が言うとケケケケケ、とまた笑う
どうやら正解、なのだろう。



「まぁもうひとつ付け足すと、だ」

「??」






「糞チアとダブルセンターってのは足りねえもん補ってるって意味もある。」

「はい?」

「ちょっと、妖一兄!」

「ケケケケケ」






その意味に関して鈴音が妙に怒っている素振りだったけど何でかは教えてくれへんかった。
あとからデビルバッツの面々にこっそり聞くと
「普通見たら一目瞭然なんだけどな」とか
「知らないことのほうが幸せっていうのもあるんだよ。」など
なんとも意味深な言葉を淡々と語られた。
あとまもりさんも苦笑いを浮かべていた…本当にどういう意味なんやろう。

結局次の試合で自分はチアリーダーをすることまで決定してしまったことだけしかわからなかった。







prevnext
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -