好きって、愛してるって……重いようで軽い言葉な気がする。
だってほら、目の前を歩くカップルを見て？
「あ、このバッグ可愛い！……ね、買って？」
（首傾げて上目遣いすれば、ちょろいもんね）
「これはまた今度の機会にして、今日はブラブラしようよ」
（チッ…図々しい女。今日フッてやろ、誰がお前に貢ぐかよ）
好き、愛してる。だから付き合ってる筈の二人なのに、心の中は真っ黒。
……百歩譲ってこれが偏ってる例だとしよう。それでもだ。
永遠の愛を誓った夫婦が、離婚している例は沢山ある。
…ほら、所詮そんなもんじゃない。
『恋とか愛って、脆いのね。……いや、人間が醜いのか』
好き、そう思っても心の何処かで自分に有利になるよう頭を回転させる。
「人間は脆いぜ！ジャシン様は死なねぇしな！」
この男が好き、いや崇拝してるのは神だから大目に見るとしよう。
それに、人を愛していないと言う彼こそ聞いてみたい。
『飛段。愛って何？』
「あぁ？んなもん決まってんだろォ？」
“お前を抱きしめたいこの気持ち？”
人間は頭が良すぎてダメなのよ
愛は、頭で考えてはいけない
人間は頭が良すぎてダメなのよ