「ん…?」

サスケは家の巻物等が保管されている部屋にて、とある巻物を見つけた。

「これ、口寄せの術?」

手に持った巻物の中を読めば、口寄せの術についての内容が記されていた。

「……へぇ」

面白そうじゃない、とサスケは一人呟き床に座り込む。
木材特有の心地好い冷たさを感じながら巻物に没頭した。





「なるほどね…」

文末まで読み切ったサスケは巻物を広げたまま床に置き、両腕を上に挙げて伸びをする。
そして巻物に書かれた術式を見つめる。

術式からして動物の口寄せの術だということは分かったのだが、なんの動物なのか。また己の契約したものでは無い為、発動するものなのか。

口寄せをしたことのないサスケには分からなかった。
だが、流石サスケであり雲雀恭弥。
動物なんの戸惑いも無く口寄せの術を発動した。

噛み切った親指から出る血を術式につける。


するとぼふんっと白い煙が発生し、部屋中が真っ白に包まれた。
…もし口寄せされるのが巨大な動物であれば家が崩壊するというのに術を発動させるとは、これも流石サスケであり雲雀恭弥。

ともあれ口寄せは発動した。でも何も反応が無い。
サスケが怪訝な顔で首を傾げる。



その時、聞こえてきた。……あの馴染み深い歌が。音程の外れた歌が。

「ミードリータナービクーナーミーモーリーノー」


「……君」

サスケの表情が一瞬にして言い表せないものになる。
嬉しいような、嬉しくないような。拍子抜けしているような、不機嫌なような。

どうやら強い口寄せ獣を想像していたらしい。

「ヒバリ!ヒバリ!」

サスケの頭をクルクル旋回して、黄色い小鳥…ヒバードは彼の肩に止まった。
それに対してサスケは軽く目を見開く。

「ワオ、良く僕だと気が付いたね」
「ヒバリ、ワカル。ヒバード、スゴイ!」

パタパタ嬉しそうに羽を羽ばたかせるヒバードは、己の頭をサスケを頬に擦りつける。

「…まあ、僕とずっと一緒に居たんだ。気付かなかったら咬み殺していたけどね」
「カミコロス!カミコロス!」



それからというもの、あらゆる時にサスケと黄色い小鳥のツーショットが見られるようになった。

(な、なんだぁ、あの鳥。サクラちゃん知ってる?)
(サスケ君、小動物が好きだったのかしら…)

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