「錫也、ずるい!」

「え?」



わたしは、錫也を見て前々から思っていたことを言った。
だって、錫也は身長が凄く高くてずるいんだもん。
わたしは、160pもないのに。



「錫也、身長高くてずるい。」

「満月はいつも唐突だな。」

「だって、錫也の身長高いから目線がなかなか合わないんだもん。」



そう言って、わたしは錫也を見上げた。
ぱっと見ただけだけど、20pは身長差がある。
錫也はわたしのいきなりの発言にびっくりしつつも、優しく相手をしてくれる。



「満月はそんなにオレと目線合わせたいんだ。」

「合わせたいよ!だって、錫也のこと好きだから目を合わせて話したいもん!」



話していて、少し恥ずかしくなる。
だけど、目線を合わせて話したいって思うから勢いと共に大胆発言をしてしました。
でも、好きって伝えるのはいいことだからたまにはいいと思うの。



「なら、こうしたら目線が合うだろ?」

「すっ…錫也近いよ!」

「満月はオレと目線合わせたいんだろ?」

「うっ…そうだけど…」



わたしの発言に、錫也は悪戯っぽく笑う。
そして錫也は、少し屈んでわたしに顔を近付ける。
確かに、錫也と目線を合わせたいとは言ったけど…顔が近すぎて、緊張してしまうしドキドキが止まらない。
顔がかぁっと熱くなる。



「錫也…降参です…」

「ははっ…ちょっとやりすぎたかな?」

「そうだよ!」

「ごめんな。怒った?」

「ううん…大丈夫。ただ…ドキドキが止まらなかっただけ。」



こうやって錫也な顔を近付けられると、すごくドキドキするから逆に身長差があって良かったかもって思うの。
いつもドキドキさせられてばっかりだから、たまには錫也をドキドキさせられたらなって思うの。
だから、待っててね!



その差は幸せ。



2011.12.15






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