現在、セフィロスの執務室で書類を片付けている。
ザックスも嫌々ながらもセフィロスから命令された報告書を書き上げている。
ナマエはタークスとソルジャーの両方の書類にサインを書いている。
いつもは自分の執務室で書き上げているのだが、今日はレノもイリーナもも居ないのでセフィロスの執務室に来ているのだ。
ふと思いついたようにナマエは言った。
「ねぇ、私って綺麗なの?」
「は?」
「いきなり何だ」
「いやさ、皆は綺麗だとか、可愛いだとか、ムカつくだとか、セフィロス様に近づくなとか言ってくるんだけど」
「・・・・・・・・」
「旦那のファンか・・・・・」
「セフィロスに熱を上げるのは別にいいけど・・・」
「・・・・・・・・・」
「いいんかい」
「ただ、そんなに好きなら本人に言えばいいのに。
あんなに綺麗な女の人ならセフィロスの心を動かせるかもしれないのに」
「俺が浮気してもいいと・・・・?」
「そういう事じゃなくて・・・・。私よか綺麗な人がなんで私に当たるのか不思議でしょうがないだけ」
はぁ、と盛大な溜息をつき、再び書類に目を戻す。
そんな様子に少し嬉しそうにザックスが口を開いた。
「そんなに綺麗だったのか」
「うん」
「・・・・てか、も綺麗な方だと思うけどな、モデルでも食っていけるんじゃないかってくらい」
「そう?・・・・モデルも面白そうよね・・・・」
「今更ここを抜けるのは無理だろう。すでにタークスでもソルジャーでも活躍中の英雄が」
「ツォンもプレジデントも許さないだろうしね」
セフィロスの言葉にナマエは苦笑した。
そして、ザックスはニンマリと笑った。
「でもよー、そんな事が起きてんのはだけじゃなーいのさ」
「?ザックスも言われたの?」
「いんや、俺じゃねぇって。旦那ってば知らん男に『ナマエさんと別れろ』だの『俺のナマエに触るな』などなど」
「え゛」
「だよな!旦那!」
「そうだな。その度にサンダガやファイガやらを放っているけどな」
「「・・・・・・・・・」」
恐ろしい男だ。
二人して思った。
ザックスは目の前の戦友の男に苦笑して言った。
「でも、まぁ、も少しは旦那の事で嫉妬してやれよ」
「コイツの周りにいちいち嫉妬してたらキリがない」
ナマエの言い分も確かに合っている。
セフィロスは整った顔立ちに美しい髪、モデルの様な姿で周りの女は惚れ惚れとしてしまうのだ。
好きだと思っても隣に居るナマエが妻であり、セフィロス本人には危害を加えることなくに当たる確率が非常に高い。
それでもやはり言い寄ってくる女は多く、嫉妬も何もいちいちしてられなくなったのだ。
「旦那はいちいち嫉妬してんけど」
「独占欲がただ単に強いだけなんでしょ」
「・・・・・ほう。ではお前は独占欲もないと言いたいんだな」
「アンタほどはないって言いたいの」
「え、じゃあ、いちをはあるっつー事?」
ザックスがに尋ねた。
ナマエは少し顔を赤くして言った。
「当たり前・・・・」
「ほう。例えばどのような時か教えてもらいたいな」
「・・・・えっと・・・。その・・・・いやさ・・・・」
顔を真っ赤にして視線を泳がす。
ザックスは笑いを堪えた。
こんなを見るのは一生で一度かも知れない。
セフィロスも楽しそうにナマエの顔を覗き込む。
「ん?どうした?言えばいいだろう?」
「一回キレた事があんのよ!!!あんたなんかがセフィロス様の何がわかるの?!って言われて!」
「ほう」
「へぇ〜」
「だからッ!あんたこそセフィロスの何がわかってるの?って言ってやっただけよ・・・」
言ってから気が付いた。
とっても嬉しそうにセフィロスが笑いかけてきた。
「お前だけが俺の事をわかってるからな」
「旦那!俺は?!」
「お前は対象外だ」
「ひでえ!」
二人のいつもの喧嘩が始まり、私は赤い顔を必死に冷ましていた。
結局は二人とも二人の良いところも悪いところも見てて。
それに向き合えているんだね。