クリスマス
「ええ?!二人ともクリスマスなのに予定ないの?!」

私は一人でクリボッチになるだろうと思っていたため、今年は諦めてキッドママの美味しいご馳走を独り占めしようと思っていたのだが。

「彼女はいいの?」
「んなもん居ねェよ」
「キッドは?」
「昨日遊んだから今日はいい」

ローが彼女居ない期間があるなんて珍しい。
それよりも2人の予定がないのなら、私は念願のクリボッチ卒業だ。

「イルミネーション行きたいの!3人で行こうよ!」

どこも混んでるから嫌だと言われるんじゃないかと思ってたりもしたけど…2人は意外なことに頷いてくれた。
イルミネーション会場には屋台も出ているため、食事は外でしてくると言えばそれぞれおこずかいをもらって、お財布片手に出発した。








「わあー!」
「転ぶなよ」
「分かってるよ、キッドありがと」
「逸れるから繋いでろ」
「はーい」

ローが私の手を握ると反対側はキッドと繋いで、まるで子供のようだ。
2人の腕を引き寄せれば3人で密着できる。

色とりどりの屋台…じゃなくて、綺麗な電飾がいい匂い…じゃなくて綺麗で。
ダメだ。先ほどから屋台が目に入ってきてイルミネーションどころじゃない。

「あ、トラファルガー。あっちに肉巻おにぎりあったぞ」
「買うか。お前も食うだろ」
「食う食う。腹減ったし…名前も食うか?」
「食うー!」
「女が食うっつーなよ」
「ローとキッドの影響でーす」

じゃんけんで負けたキッドが並んでくれて、私とローは端っこで待つことにした。
ぐっと腰を引き寄せられて後ろから抱きしめられると、恥ずかしいけどものすごく暖かい。

「んー、ローあったかい」
「おれもあったけェ…ずっとこうしてたい」
「キッドが怒っちゃうよ」

この際、私を挟んで2人で抱きしめれば…あ!それだと私は小さいから傍から見るとローとキッドが抱きしめ合ってるように…

「ぶは!気持ち悪い!!」
「は?」
「あははは!あのね、私を挟んで2人が抱きしめたら、私小さいから見えなくなっちゃうかもしれないでしょ?そしたらローとキッドが抱きしめ合ってるみたいに見えるなあって!あははは!」
「やめろ。気持ち悪ィな」

ローの笑ってる振動が抱きしめているから私の体に響いてくる。

「お前を抱きしめるのはおれだけでいいだろ」
「キッドが怒るよ」
「…さっきからキッドキッドって、うるせェ」
「んむ」

ちゅっと触れるキスをされて目を見開いた。

「…今日はローの誕生日じゃないよ」
「おれがやりてェ時にやる」
「ジャイアンがここにおる!」

「あ!トラファルガー!!誰の了承を得て抱きしめてんだよ!」
「うるせェ。てめェは自分の女抱きしめてろ」
「お前も居るだろ!」
「ええ?!そうなの?!じゃあ、こんなのダメでしょ!」
「今は居ねェっつってんだろ」

まあ、とにかく今はキッドの持っているホカホカの肉巻おにぎりを頬張るのが先だ。
三人で並んでベンチに座ると、湯気がたっているお肉にかぶりついた。

「んー!美味しい!」
「花より団子だな」
「花?花なんてどこにあんだよ?」
「…お前、本当に勉強したほうがいいと思うぞ」
「んだとクソファルガー!その憐れみ込めた目でおれを見んじゃねェ!!」
「もー、静かに食べてよ二人ともー」

その後も屋台で食べ物を買って、食べ歩きをしながら3人で煌びやかに光るイルミネーション観賞を楽しんだ。






Happy merry christmas!!


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