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 リドル先生はとてもハンサムで、“女子生徒の憧れの的”だということは昨日入学したばかりの新入生でも知っている。なぜなら、大半の女子生徒がリドル先生を見て目をハートマークにしているからだ。そんなリドル先生が、私はちょっぴり苦手だった。口元に貼り付けたような笑みがこわい。リドル先生の部屋に連行された私はできる限り体を小さくしていた。
 銀色のペンを持ったリドル先生は羊皮紙にサラサラと文字を書き込む。リドル先生の持っているペンをよく見ると、銀色の龍が巻き付くデザインをしていると思ったが「蛇だよ」と即座にリドル先生は訂正した。確かにペンに巻き付くそれは蛇であったが、まるで心を読んだかのように答えてみせたリドル先生にヒヤリとする。顔に書いてある、とまた心を読み当てたリドル先生は書き物をする手を止めることはない。もう何かを考えるのは止めよう、また心を当てられてはたまらない。

「じゃあ、今日からよろしく」

 そう言ってリドル先生は蛇のペンを机に置いて羊皮紙を渡してきた、ここに罰の内容が書いてあるのだ。几帳面な文字が並ぶそこにはこう書いてある。

 ハリー・ポッターをスリザリンのクィディッチチーム・シーカーと認める。

 その一文で読むのを止めて、信じられないという気持ちでリドル先生を見た。しかし、私はもう用済みらしくリドル先生はこちらをちっとも見ようとしない。おまけに仕事らしき作業に没頭し始めたので声をかけることもはばかれて、最悪な罰が書いてある羊皮紙を手に渋々部屋を後にする。
 リドル先生の部屋を出るとロンが居て「大丈夫?」と声を掛けてくるけれどその暢気そうな雰囲気がカチンときて口を閉ざしていると「退学になったの!?」と勘違いをして、同じく私を心配して待ってくれていたアリスとマリーも勘違いをした。

「違う、退学になってないわ。もっと最悪」

 そう言って羊皮紙を渡すと、三人は揃って覗き込む。そしてロンとアリスは最高! という顔をして、マリーはなんのことかわからないと言う顔をする。ロンが熱くクィディッチの事を語り、ようやく自体を半分理解したマリーがおめでとうと言った。それからロンとアリスはクィディッチ話で盛り上がり、そこを偶然通りかかったハーマイオニーが何を騒いでるのと眉を吊り上げる。しかしハーマイオニーは私がシーカーになったことを知ると流石親子ね、と私の父親が学生の頃クィディッチチームに入っていたことを教えてくれた。初めて会った時も思ったが、どうしてハーマイオニーは私より私のことを知っているのだろう。

150812

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