ハリーとハーマイオニーと強い決意をして家を出たというのに、喧嘩をして飛び出してしまった。ハリーが命を狙われているというのに、私はなんて薄情な親友なんだろう。とても後悔した。

「ハリー、私、」

 湖から上がってこないハリーを助けたからといって全てが許されるとは思ってない。それでもハリーは私に分霊箱を壊すという大役を任せてくれた。分霊箱からハリーとハーマイオニーが現れ、心の奥でいつも不安に思っていた言葉を投げつけてくる。弱い私はハリーの期待に答えることが出来ず、膝から崩れ落ちた。それでもなんとか分霊箱を破壊し、精魂尽きた私の意識は薄れていく。





 目を覚ますと目の前にハーマイオニーがいた。というか、抱き締められてる。ビックリして飛び起きると眠っていたハーマイオニーを起こしてしまった。

「は、ハーマイオニー」
「ようやく起きたか」
「ようやくって、え、ふ、服は?」
「脱がせた。魔法で暖めても冷たくなる一方でな」

 なんでもないことのように言うハーマイオニーに顔が赤くなる。一晩中温めていてくれたんだろうか。
 ハーマイオニーの胸に手を添えて体を寄せると、包むように抱き締めてくれた。まるで、恋人みたいに。

「ヘンリー、好きだ」

 今までかわしてきた言葉を真っ直ぐに告げられ狼狽する。セドリックが亡くなってから誰かと付き合うことが怖くなった。ハーマイオニーもそれを理解してくれていたのかその言葉だけは言うことがなかったというのに。

「ヘンリーが居ない間、私たちは死んでいたかもしれない。そう思ったら想いを告げていないことを後悔した」

 それだけだ、と返事も見返りも求めることのないハーマイオニー。……そろそろ、私も成長するときかもしれない。勇気を出して彼にキスをし「好きだ」と言ったら、優しく微笑まれた。幸せが胸に溢れる。

 これからの戦いは辛く厳しく、もしかしたら、死んでしまうかもしれない。でも、ハリーとハーマイオニーとなら乗り越えていけると思った。例え誰かが欠けたとしても、今の私なら大丈夫だ。

120513
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