二人と魔法の訓練 魔法でティーカップを三つ呼び出すとそれぞれに紅茶を注いだ。湯気がのぼる飴色の紅茶を口に運ぶと体が芯から温まる。少し肌寒いと思っていた私にはとてもありがたいもので、この魔法を教えてくれたルーピンくんに感謝をした。 表情を緩める私を不気味だというように観察していたブラックくんが(本当に彼は失礼な人だ)、思い出したというように手を叩き、私とレギュラスくんの顔を交互に見る。 「これから、なにをするんだ?」 「……、」 「……なにをするかも知らないで、自分を参加させろと言ってきたのですか」 呆れたように言うレギュラスくんに同意するように頷くと、ブラックくんは不満そうな顔をする。朝食のときに例の魔法を教えて欲しいと申し出てきたのはレギュラスくんで、それなら昼に時間をとれるかと尋ねたところでブラックくんが割り込んできた。そのときに彼らが兄弟であることを知り、てっきりレギュラスくんから透明魔法云々の話を聞いてブラックくんも参加表明したのだと思っていたが、どうやら違うらしい。早く教えろと急かしてくるブラックくんに、なんとなくレギュラスくんとの出会いから話して聞かせると「校内で迷子になったのかよ……ぷっ」と言われ眉間に皺が寄った。 130619 end 目次/しおりを挟む [top] |